2018 Fiscal Year Annual Research Report
Inhibition of Prolyl Hydroxylase Improves Myocardial Dysfunction Following Endotoxin Shock via Activation of Kynurenic Acid Production
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16K20400
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
伊原 奈帆 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70573260)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低酸素応答 / 敗血症性心筋症 / プロリン水酸化酵素阻害剤 / キヌレン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はPHD阻害剤が敗血症性心筋症に及ぼす影響について検討した。すべての実験において、8~12週齢の野生型雄マウスを用い、LPS 35 mg/kgを腹腔内注射しエンドトキシンショックモデルを作製した。前年度までの研究で、PHD阻害剤による敗血症性心筋障害に対する心筋保護作用のメカニズムが以前の報告とは別にあると考え、近年Olenchock1)らが発表したPHD阻害剤の虚血再灌流障害に対する心筋保護作用のメカニズムに注目した。キヌレン酸は血流に放出され、心臓に到達し、心筋保護作用を示すということである。そこで、LPS投与2時間後の血漿中キヌレン酸濃度をELISAで測定した。すると、PHD阻害剤を投与した群で有意にキヌレン酸が増加していることが確認された。つぎに、LPS35mg/kgを腹腔内投与24時間後に総頸動脈から左心室にコンダクタンスカテーテルを挿入して、キヌレン酸 2 mgまたは生理食塩水を左外頸静脈から投与し、左室機能の変化を連続的に測定した。キヌレン酸またはVehicle投与後、HR, dp/dtmax, dp/dtmin, Tauそれぞれの5分毎の測定値をbaselineと比較し、その変化率を測定した。キヌレン酸は陽性変時作用、陽性変力作用を示し、左室機能を劇的に改善した。最後に、LPS35mg/kgを投与した直後にKYNA 20mg を項部皮下投与し生存率を観察した。すると、LPS投与7日後の生存率はvehicle群(n=15)で33%であったのに対し、PHD阻害剤群(n=15)では67%と著しく改善した。 本研究ではキヌレン酸がエンドトキシンショックによる心機能障害を改善し、生存率を改善することを明らかにした。 1) Olenchock, B. A., et al. (2016). Cell 164(5): 884-895.
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Research Products
(1 results)