2017 Fiscal Year Research-status Report
SCUにおける脳梗塞早期再灌流療法後の急性腎障害発症とバイオマーカーに関する検討
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16K20403
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
下山 隆 日本医科大学, 医学部, 助教 (00509325)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 急性腎障害 / 急性期脳卒中 / SCU / 尿中L-FABP |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞患者における急性腎障害(AKI)発症頻度は2-14%と報告されているが,いずれも後ろ向き研究しかなく前向き研究による報告はない.さらにSCUや早期再灌流療法後のAKI発症頻度や予後との関連についてはほとんど分かっていない.近年AKI発症を予測するのに尿中L-FABP値が有用と報告されている.今回はSCUに入院した急性期脳血管障害患者のAKI発症頻度と尿中L-FABP値の関連性について前向きに検討を行った. 2017年1月から2018年4月までに当院SCUに入院した急性期脳卒中症例約550例を登録した. 2017年1月~12月までの間に入院した382症例(平均年齢 71.2±13.4歳,男性 244例)の中間解析を行った.症例は脳梗塞 286例,脳出血 74例,TIA 22例であった.入院7日以内のAKI発症頻度は3.8%(14例)であった.尿中L-FABP値はAKI群で有意に高かった(51.8 vs. 13.7, P=0.004 ).退院時重症例(mRS≥5)はAKI群で有意に多かった(50.0% vs. 18.3%,P=0.027).退院時重症例では尿中L-FABP値は有意に上昇していた(36.0 vs. 10.2,P<0.001 ).AKI症例が少なく現時点では多変量解析では尿中L-FABP値とAKI発症の間に有意差は認めなかった. 現時点で症例登録は順調に進んでおり2018年12月まで症例登録を継続し成果を学会もしくは学術誌での発表を行っていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例登録は順調であり平成30年末までの約800症例の登録を見込んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
急性期脳卒中患者のAKIの頻度を明らかにすることは可能である。 但し発症頻度が3%前後であるので尿中L-FABP値がAKI発症頻度を鋭敏に予想できるかは議論の余地がある。 また画像所見や転帰、急性期再灌流療法症例でも関連があるか検討してく必要がある。
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Causes of Carryover |
尿中L-FABP値の測定が必要なため
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