2017 Fiscal Year Research-status Report
救急外来における高齢者重症細菌感染症の早期診断における新規バイオマーカーの開発
Project/Area Number |
16K20405
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
今井 義朗 大阪医科大学, 医学部, 医師 (60734415)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高齢者 / 感染 / プレセプシン / キマーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国は急速に高齢者社会が進行しており,高齢者の救急搬送数も年間300 万件を超えようとしている.高齢者は免疫力が低下し,若年者より感染が重篤化しやすい特徴がある.しかし訴えが明瞭でなく,敗血症を併発してもβブ ロッカーやステロイドを服用で頻脈とならず,発熱を認めないなど身体所見に乏しく,重篤感が認められず見逃されやすい.より効率的な細菌感染の重症度判定法が望まれる.研究目的は, 感染症疑いで救急搬送される高齢者に対して,既存の感染症マーカー以外の種々のマーカー(プレセプシン,キマ ーゼ)を測定することで,新たな感染症マーカーの開発を行うことである. SIRSの診断基準を満たす重症感染症を疑う救急車で搬送された高齢者症例(65歳以上)を対象に、救急外来でAPACHIIスコアを記録し採血を行った。既存の感染重症度マーカーであるCRPとプロカルシトニン(PCT)、およびP-SEPについて、血培結果(陽性(+) vs.陰性(-))で比較検討した。症例数は51例(男:女=30:21)。年齢は75±9.7歳。血倍+/-=19/32例。CRP値(mg/dl):15.1±2.6(血培+) vs. 11.2±2.0(血培-)(p=0.24), PCT値(ng/ml);39.9±12.2(血培+) vs. 5.9±9.5(血培-)(p=0.03), P-SEP値(pg/ml);854.8±109.8(血培+) vs. 463.9±83.9(血培-)(p=0.006)であった。血培結果を目的変数、P-SEP、PCT、CRPを説明変数とした多変量解析では、P-SEPで関係があった(p=0.04)。APACHⅡスコアとの相関係数はP-SEP:0.34 > CRP:0.281 > PCT:0.119 であった。救急外来における高齢者の重症細菌感染症の判別法としてP-SEPの有用性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
職場の変更で研究時間の確保に難渋した。 ヒトキマーゼ測定において、キマーゼ研究の第一人者である高井教授との共同研究が職場の違い、時間制約で遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
再度データ集積を行うとともに、ヒトキマーゼ測定も同時に行い、プレセプシン、ヒトキマーゼによる、血液培養陽性の判別ならびに、重症度判定を行う。
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Causes of Carryover |
職場の異動などで研究が遅れ、それに伴い是年度使用額が生じている。データ集積のための費用および論文作成のための費用に企てる予定である。
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