2016 Fiscal Year Research-status Report
破骨細胞由来生理活性物質を介した骨-脂肪コミュニケーションと肥満・糖代謝制御
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16K20413
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久本 由香里 九州大学, 歯学研究院, 助教 (40729026)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脂肪細胞 / カテプシンK / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に前駆脂肪細胞株である3T3-L1細胞を用いて、脂肪細胞におけるカテプジンKの発現とカテプシンK曝露による脂肪細胞分化への影響について検討を行った。 初めに、各日数培養した3T3-L1細胞についてカテプシンKのmRNA発現を検討した結果、培養2日目からその発現は著しく低下した。 次に、3T3-L1細胞に分化誘導剤とともに10 ng/mLの活性型カテプシンKを曝露し、培養10日目にOil red O染色によりその分化を評価した。その結果、Oil red Oの染色性に変化は認められなかった。しかしながら、培養2日目より分化誘導剤を除去した3T3-L1細胞では、カテプシンK曝露により分化が促進していた。さらに、培養2日目と10日目にRNAを回収し脂肪細胞特異的遺伝子の発現を解析した結果、カテプシンKを曝露した細胞で10日目では変化は認められなかったが、2日目ではPPRAγとFabp4で発現の上昇傾向が見られた。 以上の結果より、カテプシンKは脂肪細胞分化を促進する可能性が示唆された。また、脂肪細胞自身もカテプシンKを産生するが、脂肪細胞以外の細胞由来のカテプシンKも分化に影響する可能性が示唆された。この結果は、破骨細胞等の他の細胞が産生するカテプシンKが脂肪細胞の分化制御に関与する可能性を示した初めての知見である。しかしながら、破骨細胞由来のカテプシンKと脂肪細胞分化が関連する直接的な知見やカテプシンKによる脂肪細胞分化促進の詳細なメカニズムはまだ不明であるため今後の検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度計画していた骨破壊モデルマウスを用いた解析に関して、in vitro解析を進めるための条件検討に予想以上の時間を費やしてしまい、ほとんど遂行することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本年度遂行していたin vitro実験を並行しながら、カテプシンK以外の脂肪細胞・糖代謝制御に関与する新規クラストカインの探索にも着手する。in vitro実験では主に破骨細胞由来カテプシンKによる脂肪細胞制御の分子機序の解明を目指す。また、まだ遂行できていない骨破壊モデルマウスを用いたin vivo解析にも着手し、骨代謝疾患病態と脂肪量・耐糖能との関連性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
骨破壊モデルマウスを用いたin vivo解析に着手することができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
in vivo実験に関わる動物や備品および試薬の購入に使用する予定である。
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