2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of the proliferation and condensation of osteoblast progenitors at an early stage of osteoblast differentiation
Project/Area Number |
16K20414
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松裏 恵子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 特別研究員 (20770423)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Runx2 / MSC増殖 / MSC凝集 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞から骨芽細胞への分化には、転写因子Runx2とSp7(Osterix)の両者が必須であり、Runx2はSp7の上流に位置する。ヒトRUNX2のヘテロ変異は、頭蓋の低形成、泉門の開大、鎖骨低形成、過剰歯、低身長等を主徴とする鎖骨頭蓋異形成症を引き起こす。マウスのヘテロ変異では、過剰歯は見られないが、その他は同様の表現型を示す。マウス前頭縫合は特異な癒合過程をとる。生後6-7日目位に、間葉系細胞の凝集が起き、凝集した細胞は軟骨細胞へと分化、軟骨内骨化によって骨に置換される。Runx2ヘテロ変異マウスの前頭縫合を調べたところ、この間葉系細胞の凝集が起こらず、軟骨細胞塊も出現しなかった。矢状縫合部位では軟骨内骨化は起こらないが、この部位でもRunx2ヘテロ変異マウスでは、野生型マウスで見られた間葉系細胞の凝集が認められなかった。これは、鎖骨頭蓋異形成症の泉門・縫合の開大に、間葉系細胞の凝集欠如が関与している可能性を示唆している。 そこで、Runx2 koマウスで間葉系細胞の凝集が、顕著に欠如しているか調べるとともに、Sp7 koマウスと比較してみた。Sp7 koマウスでは、骨芽細胞は存在しないが分厚い間葉系細胞の凝集を認めた。一方、Runx2 koマウスでは、頭蓋冠領域に間葉系細胞は少なく、凝集は全く認めなかった。 Runx2 koマウスとSp7 koマウスの頭蓋冠組織、そしてRunx2ヘテロ変異マウスと野生型マウスの頭蓋縫合組織の遺伝子発現をマイクロアレイで比較した。FGF, ヘッジホグ、Wnt、PTHrP経路の遺伝子発現が、Sp7 koマウスに対してRunx2 koマウスの頭蓋冠組織で、野生型マウスに対してRunx2ヘテロ変異マウスの頭蓋縫合組織で低下していた。
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