2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K20418
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
成田 由香 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (50758050)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 病原細菌 / 獲得免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は病原細菌により引き起こされる慢性感染症であり、歯周病の発症と進行には免疫応答が関与し、ヘルパーT細胞による免疫応答と歯周病との関係が示唆されているが、メカニズムの詳細について不明な点が多い。研究代表者は、病原細菌の抗原性に着目し歯周病原細菌に特異的な免疫制御機構の探索のため、Red complexを構成する細菌の一つであるTannerella forsythia(以下T. forsythia)を用い、歯周病原細菌と宿主の両側面から解析を行った。 本年度は、T. forsythiaの口腔投与および胃ゾンデ投与した歯周病細菌感染モデルマウスを用い、T. forsythia の細胞分画成分を抗原とし、骨髄由来樹状細胞に抗原提示させ、各分画成分におけるTh17細胞への分化をflowcytometryで評価した。現在、抗原部位を含む分画成分を絞り込み、T細胞抗原エピトープを含むタンパク質の同定を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い研究を進めることができている。 歯周病原細菌感染モデルマウスの感染条件を検討し、効果的なT細胞のTh17細胞への分化への評価系を構築することができた。現在この手法を用い、T細胞抗原エピトープの絞り込みを解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず第一に、T細胞抗原エピトープの同定を進める。研究計画に基づき、絞り込んだ細胞分画成分を逆相クロマトグラフィーで分離し、SDS-PAGEで展開し、プロテオミクス解析によりTh17細胞への分化の指標に抗原タンパク質の絞り込みを進める。必要に応じて二次元-PAGEで展開し解析する。得られた候補タンパク質を大腸菌で発現し、Th17細胞への分化誘導能を評価する。 第2に、歯周病原細菌感染モデルを用いて研究計画に従い、歯周病の病態と腸管を介した全身における免疫細胞動態の解析を進める。
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Causes of Carryover |
研究計画に従い研究を進めているが、研究費の充足率が100%ではなく、次年度は本年度以上の予算が必要となるため、本年度配分の使用額の一部を次年度使用額とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究遂行に必要な設備備品に関しては導入済みであり経費の計上は行わない。次年度使用額となる研究費は主に消耗品などの物品費に使用する予定である。微生物培養、細胞培養、動物実験に用いるマウス購入・飼育費、遺伝子実験、生化学実験のための費用、病原細菌コンポーネント同定のためのDNA合成およびペプチド合成など外注解析の費用必要となる。本研究の発展のため、情報の収集ならびに研究成果の発表のため、学会参加のための旅費を計上予定である。
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