2017 Fiscal Year Research-status Report
エストロゲンと炎症性サイトカインからみた進行性下顎頭吸収の病態解明
Project/Area Number |
16K20434
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野上 晋之介 東北大学, 歯学研究科, 助教 (70573575)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 進行性下顎頭吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は海外研修のため動物実験を進めることができなかった。その一方で、欧州での学会参加をすることで動物実験を進めるにあたり必要な情報(特に白兔下顎骨の最大延長量の見直しなど)を得ることができた。 したがって今年度得た情報を下記のように動物実験を遂行することとする。1.卵巣摘出家兎の下顎頭吸収モデルの確立: 卵巣摘出した家兎の両側下顎骨の骨切り、延長器装着後に下顎骨を前・ 後方移動させ、下顎頭部の伸展群・圧縮群に分け下顎頭部の吸収を確認する。2.下顎頭試料採取と滑液採取: 両側下顎骨の骨切りを行い、延長器の装着を行う。延長終了直後、延長終了1週後、2週後、4週後で顎関節腔内の滑液を採取し、下顎骨を試料として採取する。3.採取試料の分析: 採取した滑液をenzyme linked immunosorbent assay(ELISA法)、cytometric bead array(CBA法:BD社)を用いて破骨細胞誘導系サイトカインのタンパク量の測定を行う。採取した試料を固定し、マイクロCT撮影を行い、表面、細部構造を解析する。さらに組織学的評価を行う。 なお以下のような問題点が生じた際の対応は、 採取した滑液量が不足した場合→本研究では滑液解析を2つの方法で行う予定だが、これはサイトカインのタンパク量をより確実に測定するためである。しかし、採取する滑液が少量である場合は、微量のサンプルから同時に数種類の物質の濃度を網羅的に測定できる利点をもったCBA法を優先して行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は海外研修をしたため、動物実験を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年度分の動物実験も併せて行うため研究に対するエフォートの割合を高くする。実験は卵巣摘出した家兎の下顎頭吸収モデル確立後、試料採取時期のプロトコールを見直し、必要であれば試料採取時期を変更する。各群3羽(6側)ずつ計24羽の下顎骨延長を行う。それぞれの待機期間において安楽死させ、顎関節の滑液採取ならびに下顎骨を採取する。採取した試料を10%ホルマリン液で固定する。なお、対照群は卵巣摘出した家兎を用いて骨切りを行わず、かつ延長器の装着をしないもの3羽(6側)、骨切りを行うも延長器を装着しないもの3羽(6側)とする。評価法は1, マイクロフォーカスCTにて、骨吸収部の微細構造評価。三次元画像構築作成、NIH imageによる骨吸収部の面積評価 2, 組織学的検討:下顎頭部を中央で2つに分割し、脱灰標本、非脱灰標本に分けて染色。染色法( ヘマトキシリン・エオジン染色、酒石酸耐性酸フォスファターゼ染色、コラーゲンⅠ、Ⅱ染色)3, 分子生物学的解析:家兎の顎関節内滑液の解析。ELISA法、CBA法を用いて各種サイトカインIL-1β、IL-6、TNF-αのタンパク量を測定また、卵巣摘出しない家兎のPCRモデルとの比較については、先の研究(JSPS科研費25861774)での下顎頭部の骨吸収の程度・ 組織学的評価・ 各種サイトカインのタンパク量の定量的評価の結果と比較する。
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Causes of Carryover |
平成29年度は海外研修だったため予定の予算を執行できなかったため、平成30年度は実験のエフォートを増やし平成29年度分でできなかった動物実験を行う予定とする。
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