2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of NASH progression mechanism of red complex dental infection via TLR2 pathway
Project/Area Number |
16K20437
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古庄 寿子 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (00634461)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | red complex / TLR2 / 歯性感染 / NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
NASHの病態進行に、 “second hit”として歯周病原細菌Porphyromonas gingivalis(Pg)が関わり、Pg歯性感染によるNASH病態増悪のメカニズムにおけるTLR2の経路が重要であることを明らかにしてきた。口腔内細菌の中でも強く歯周病と関連するとされるのが、“red complex”(Pg、Treponema denticola(Td)、Tannerella forsythia(Tf))である。Td、Tf共に、TLR2経路を介し、炎症性サイトカイン産生を誘導するとされ、red complexのNASH病態進行への影響と、TLR2経路の関わりについて検討することを目的に研究を行なった。 in vivo実験では、野生型高脂肪食(WT-HFD)群では、crown-like structure(CLS;脂肪壊死に陥った肝細胞に対するマクロファージ集簇巣)数および線維化がWT-HFD- Pg +Tf群以外で増加し、TLR2ノックアウト高脂肪食(TLR2KO-HFD)群では抑制されていた。また、WT-HFD群にみられたIL-1βmRNA発現の上昇は、TLR2KO-HFD群では完全に抑制されていた。各群間の根尖病巣に差はなかった。in vitro実験において、通常肝細胞と比較し、ヒト脂肪化肝細胞に対しPg-LPS、Pg、Td、Tf各死菌による刺激を行うIL-1β、IL-6mRNA発現上昇が上昇したが、TLR2阻害薬の投与により、刺激にによるIL-1β、IL-6mRNA発現は抑えられた。 TLR2経路の遮断により、脂肪化における炎症性サイトカイン発現上昇やマクロファージの動員、線維化促進が改善されたことから、TLR2経路は、red complex歯性感染によるNASH病態増悪に関与することが明らかになった。
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