2017 Fiscal Year Annual Research Report
Characterization of the mucosal immunity network between chronic periodontal disease and intestinal inflammation by using Fusobacterium nucleatum (F.n).
Project/Area Number |
16K20442
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
河野 哲朗 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (40757431)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 慢性歯周疾患 / Fusobacterium nucleatum / フローサイトメトリー(FACS) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では慢性歯周疾患を起因とした大腸炎誘発機序を解明するために、申請者らが確立した歯周病モデルマウスを応用し、Fusobacterium nucleatum (F.n)を用いて歯周病モデルマウスを作製したうえ、生体恒常性を制御する免疫細胞の臓器間(口腔-腸管)ネットワークを解明を行った。 その結果、申請者らが以前、確立したPorphyromonas gingivalis (P.g)を用いた歯周病モデルマウスと同様、有意差を持って歯槽骨吸収量の増加が起きていることが確認できた。また、マウス歯周組織、腸管粘膜組織の形態観察をヘマトキシリン。エオジン染色にて行い、リンパ球浸潤を伴った歯槽骨破壊像、腸管粘膜組織では小腸、大腸ともに粘膜固有層に炎症症状がみられた。申請時の実験計画には含まれていなかったマウス歯槽骨のアパタイト結晶構造の変化を確認するためにX線回折法を用いた結晶構造解析を行ったみたが、実験群とコントロール群との間に違いは認められなかった。 F.n口腔感染による歯肉単核細胞、マウス腸管の単核細胞の動態を経時的に解析する為に歯肉粘膜下固有層、腸管粘膜固有層を単離し、T細胞、樹状細胞、およびマクロファージについて、フローサイトメトリー(FACS)により解析を行った。その結果、F.n 感染マウスの歯肉組織ではマクロファージ、樹状細胞(DC)それぞれの発現頻度が上昇しており、DCサブセットのうちCD11c+ CD11b+および CD11c+ CD8+ に増加が認められた。しかし、腸管組織からはDCサブセットの上昇は認められなかった。これは免疫反応の抑制が働いている可能性が考えられ、制御性T細胞(Treg)の発現頻度の解析をおこなったところ発現の上昇を確認した。 以上より、F.nの影響による臓器間(口腔-腸管)ネットワークの一端を確認することができた。
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Research Products
(1 results)