2019 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive analysis of the fluoride-effects on the metabolic mechanism of oral Actinomyces
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16K20447
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川嶋 順子 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (50633707)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Actinomyces / Streptococcus / 紺面齲蝕 / 糖代謝 / 重炭酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の日本では予防歯科の広がりや歯周治療の効果によって8020運動達成率(80歳で20本以上の歯を持つ人の割合)の増加が認められるようになったが、歯周治療に伴う根面の露出による根面齲蝕の罹患率は今後ますます増加することが推測される。 齲蝕は、プラーク構成細菌の産生する酸により発症し、そのほとんどは糖代謝による。口腔Actinomycesも糖を代謝し酸を産生することが知られており、ヒトプラーク細菌において口腔Streptococcusに次いで多く、根面齲蝕病巣からも高頻度で検出されることから、根面齲蝕との関連が注目されている。齲蝕予防を目的に世界中で広く利用されているフッ化物は、S. mutansを代表とする口腔Streptococcusの糖代謝を阻害し、酸産生や増殖も抑制する。 口腔Actinomyces においても、フッ化物は酸産生と増殖を抑制するが、そのフッ化物耐性はStreptococcusによりも高いことが分かっているが、そのメカニズムは不明である。 部を利用する効率的な代謝機構が存在することを示唆するが、詳細なメカニズムの解明には至っていない。 研究期間を通して、口腔ActinomycesおよびStreptococcusのフッ化物および窒素化合物による酸産生・増殖への効果に着目し、口腔内環境を模した嫌気グローブボックス内での検討を続けた。基質やフッ化物の濃度を変化させながら、両細菌を様々な条件下で酸産生・培養し、経時的にサンプリングを行った。得られたサンプルは、HPLCおよびCE-TOFMSを用いて代謝産物の測定を行った。これらの機器は代謝産物の網羅的解析に有用であり、その解析のための前処理方法の検討や、解析条件の設定についての検討を進めた。途中機器の不調のため使用できない期間があったため、対象とする菌種を広げて糖代謝活性やフッ化物耐性の評価を行った。
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