2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the induction mechanism of TNF-alpha expression from macrophages by dental pulp cell specific factors
Project/Area Number |
16K20456
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
永安 慎太郎 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (60635192)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マクロファージ / TNF-α |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究において初代および不死化培養ヒト歯髄細胞上清をマクロファージに添加すると、添加1時間後からマクロファージにおいてTNF-αなどの炎症性サイトカイン遺伝子発現の著しい上昇ならびにサイトカイン分泌促進を認めることを報告してきた。またこれら培養ヒト歯髄細胞上清からexosomeを単離しその炎症促進活性を検討すると、培養上清と同様にマクロファージでの炎症性サイトカイン発現が上昇した。このことから、exosomeを含む細胞外微粒子が培養ヒト歯髄細胞上清中の炎症促進活性因子であると考えた。我々は培養ヒト歯髄細胞上清中から回収した微小小胞 (microvesicles : MVs)とマクロファージの炎症促進活性の関連について検討した。精製した細胞外微粒子を分化THP-1に作用させTNF-α産生量を測定した。0.8μmで限外濾過した培養上清は無濾過と同等のTNF-α産生誘導を認めたが、0.45μmで限外濾過した培養上清には産生誘導能がほとんどなかった。さらに遠心法で得られた歯髄細胞由来MVsで分化THP-1を刺激すると、100 ng/mlの低濃度刺激下で培養上清と同等の著明なTNF-α産生誘導を認めた。一方、ヒト歯肉線維芽細胞から得られたMVsには活性がなかった。0.8μm以上ではなく0.45μm以下の限外濾過法での歯髄細胞上清からの細胞外微粒子除去によってそのTNF-α産生誘導能が喪失したことから、0.45μm以上0.8μm以下の長径を持つ微粒子の集団が産生誘導の主体を為すことが明らかとなった。これは遠心法で得られたMVsと長径が一致していた。今後、歯髄細胞からのMVsやexosomeなどの細胞外微粒子の放出や、その反応として引き起こされる免疫応答およびその抑制機構を解明することで、歯髄炎のみならず炎症性疾患の成因を明らかにできる可能性がある。
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