2018 Fiscal Year Research-status Report
睡眠時咀嚼筋活動の発現パターン解析による睡眠時無呼吸症候群スクリーニングへの挑戦
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16K20479
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白井 未來 (斎藤) 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (80754613)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / 睡眠時無呼吸症候群 / 筋電図 / PSG検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,睡眠時の咀嚼筋筋電図波形と無呼吸発作の発現の関係性やリズム規則性を明らかにし,咀嚼筋筋活動波形の発現パターンから睡眠時無呼吸症候群の存在を予測しスクリーニングを行うことを可能にするアルゴリズムを確立することである. 平成30年度は,前年度からの予備的検討をもとにさらに睡眠時無呼吸発作と睡眠時咀嚼筋活動発現パターンの解析へ向けての解析を進めた. 予備的検討では,現有のデータをもとに睡眠時無呼吸と睡眠時ブラキシズムを併発している症例と睡眠時ブラキシズム単独の症例を比較した.時間的にマクロな視点では併発症例でのブラキシズムの発現は無呼吸発作の終了とともに開始され,さらに無呼吸発作の再開とともに(または以前に)終了するパターンが多く見られた.そしてそのパターンは無呼吸発作のリズムに従いその連続性に伴って睡眠時ブラキシズムも連続していた.ブラキシズム単独症例では併発症例に比較しリズム性や連続性は乏しかった. 以上の結果より,睡眠時無呼吸発作の発現の規則性・睡眠時無呼吸併発時の睡眠時ブラキシズム発現の規則性・睡眠時ブラキシズム単独発現時の規則性を比較することによりそれぞれの特徴が明らかになるのではないかと着想を持った.一晩での各イベントの発現のばらつきをCV値を用いて算出し,解析行った.睡眠時無呼吸の1時間当たりの発現数を示すAHIと睡眠時ブラキシズムのCV値間には負の相関が認められ,睡眠時無呼吸重症であるほど睡眠時ブラキシズムの発現のばらつきは少ない傾向が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
睡眠検査データの解析法が確立され睡眠時咀嚼筋活動と睡眠時無呼吸発作発現の時間的把握が可能となった.また現有のデータに基づき睡眠時無呼吸と睡眠時ブラキシズムの併発症例でのパターン解析へ向けての予備的解析の結果大まかなアルゴリズム確立へ向けての方向づけが可能となり,解析を進行中である.今後さらに解析データ数を増やし,パターンやアルゴリズムと実際のデータとの照合を行う必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
1.データの収集・処理 データ収集を行う.対象は睡眠時ブラキシズムを疑う患者,睡眠時無呼吸と睡眠時ブラキシズムの併発を疑う患者とする. 得られたPSG検査データをもとに睡眠解析を行う.筋電図データを睡眠時ブラキシズム抽出自動解析ソフトを用いAASM2005の基準に従い分類し睡眠時ブラキシズムの判定を行う.その他の咀嚼筋活動(嚥下,体動に伴うもの等)についても分析を行う. 2.睡眠時咀嚼筋活動と睡眠時無呼吸併発時の睡眠時ブラキシズム発現パターンとの比較・その妥当性の検証 睡眠時咀嚼筋活動と睡眠時無呼吸併発時の発現パターン解析を行い,アルゴリズムを確立する.そのアルゴリズムに従い睡眠時咀嚼筋活動の発現パターンより睡眠時無呼吸発作併発の可能性を予測し,睡眠解析データと照合する.その再現性・妥当性を確認する.
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Causes of Carryover |
(理由)データ収集がさらに必要であるためそれに必要な経費がまだ使用されていない. (使用計画)平成30年度に少なかったデータ測定時に必要な消耗品の購入,関連学会等への参加のための旅費が必要である.
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