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2016 Fiscal Year Research-status Report

メカニカルストレスと炎症の関係:骨芽細胞の働きに与える影響

Research Project

Project/Area Number 16K20486
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

鈴木 奈月  東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (80758566)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsメカニカルストレス / 有限要素法
Outline of Annual Research Achievements

本年度の実験において、①メカニカルストレスによって、野生型マウスでは、近接する軟組織及び骨表面に炎症性細胞の浸潤を認め、炎症が引き起こされている。②マウス上顎骨内において、歪みの大きさが同程度で、荷重による炎症が起きる部位(荷重部位に近い)と起きにくい部位(荷重部位から遠い)を選定した結果、TNF-alpha欠損マウスでは、部位に依存んせず炎症が抑制されている。③炎症の中でもメカニカルストレス由来の炎症が、破骨細胞の出現を亢進させる。以上のことより、メカニカルストレス由来の炎症が、破骨細胞の出現に影響を与えていることを示すことができた。
一方で、破骨細胞の出現にはメカニカルストレスを受けてから一定の期間が必要であり、出現するまでに影響を与えるメカニカルストレスの総数、すなわち閾値は明らかになっていない。閾値に関する大まかな値は、示すことができたが、あくまでも条件特異的である。メカニカルストレスによる破骨細胞の出現の閾値を明らかにするには、最適な荷重期間・大きさの選定のため引き続き更なる実験が必要である。
また、本研究の基盤的内容として、メカニカルストレスを受けた骨内部に生じる歪みの応力解析に必要な、CT値から骨のヤング率を算出するための換算式に関して検証を行った。より実測にあった換算式を成立させるために、ある骨部位におけるCT値と同部位の実測によるヤング率を比較し、両者の相関関係を検証した。一定の相関が認められたが、相関が認められないケースも存在し、それには、骨内部の微小構造が影響していることが示唆された。骨内部の微細構造が骨のヤング率にどのように影響を与えるかは、さらなる検証が必要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

全体を通して、当初の研究実施計画にそっておおむね進行している。
メカニカルストレスによる破骨細胞の出現は及び炎症の影響があることを明らかにすることができた。また、メカニカルストレスが破骨細胞に与える影響が明らかになるとともに、どの程度のストレスがどの程度かかることによって、破骨細胞が活性化されるかを追求することができている。一方で、活性化の維持には、どのようなストレスの継続が必要になるかは、今後のさらなる検証が必要である。

Strategy for Future Research Activity

メカニカルストレスの大きさ・期間と、破骨細胞の出現に因果関係が見出されているが、それらに具体的に方向性を見出したい。どの程度のストレスによって、破骨細胞の活性化が維持されるのか、常に破骨細胞が出現しつづけるのか、破骨細胞の数だけでなく、その活性化の程度まで明らかにしていく。
適切な実験期間を設定したのちに、本実験にはいる。メカニカルストレスによる歪みが骨芽細胞にどのような影響をもたらし、骨吸収亢進及び骨形成抑制による相対的骨吸収との関連性を検証する。荷重実験の際には、荷重期間中一定の間隔で骨形成マーカーとして蛍光色素(カルセイン・アリザリンレッド)を皮下注射する。これにより、骨に沈着した蛍光色素間の骨幅を計測することで、その期間に形成された骨量を計測することができる。歪みの大小によって骨形成量の違いがでれば、歪みによる骨芽細胞への影響をしることができる。また、組織観察の際に、スクレロスチン免疫染色を行う。メカニカルストレスを感知した骨細胞がスクレロスチンの算出を抑制し、スクレロスチンに抑制される骨芽細胞の活性が上昇すれば、骨形成量に影響が出る可能性がある。スクレロスチンの算出部位と歪み分布・骨形成量の相関をみる。
基盤的研究として、引き続き、骨微細構造が骨ヤング率にもたらす影響に関して検証する。ナノインデンテーションを用いて、骨微細部位のヤング率を計測するとともに、同部位をSEM撮影し微細構造の特徴を明らかにしていく。骨密度が一定であっても、骨微細構造の違いによるヤング率の差が、そこに生じる歪みにも影響していると考えられ、それらを加味することで、より実測に近く、汎用性の高い、骨内部のメカニカルストレスの解析が可能となる。
科研費の主な用途は、実験用動物の購入と、組織切片製作に必要な備品である。また、年度後半には、研究の成果をまとめ、学会発表を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] μCT値から顎骨のヤング率を求める換算式の妥当性の検討2016

    • Author(s)
      稲川英明,鈴木奈月,八川昌人,若林則
    • Organizer
      平成28年度公益社団法人日本歯科学会関越支部学術大会
    • Place of Presentation
      朱鷺メッセ(新潟県新潟市中央区万代島6番1号)
    • Year and Date
      2016-11-06 – 2016-11-06

URL: 

Published: 2018-01-16  

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