2018 Fiscal Year Annual Research Report
Hydrothermal treatment of titanium implant surface with calcium promotes epithelial sealing
Project/Area Number |
16K20506
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大城 和可奈 九州大学, 歯学研究院, 特別研究員 (00757990)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 歯科インプラント / 上皮封鎖性向上 / 表面性状改質 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科インプラント体を口腔内で長期的に機能させるためには, 骨との強固な結合に加えて, 粘膜貫通部位での軟組織による防御機構も重要とされる. しかし, 以前からインプラント表面の改質にはオッセオインテグレーション獲得を目指した骨研究が主流であり, 上皮および結合組織による軟組織封鎖性については未だ解析が進んでいない. そこで本研究は, 異なる表面性状を有するインプラント周囲の軟組織封鎖性の違いを上皮組織と結合組織に分けて検討することとした. 純チタンに付与した表面性状の違いから①無処理群(Ms群)②サンドブラスト酸エッチング処理群(Rs群)③カルシウム水熱処理群(Cs群)④陽極酸化処理群(As群)を作成した. 培養実験では4日齢Wistar系ラットから採取した口腔粘膜上皮細胞および線維芽細胞を各チタンプレート上で培養した. 動物実験では6週齢雄性Wistar系ラットの口腔内へ各処理インプラントを埋入した. 上皮接着性は平滑面であるMs群およびCs群で高く, 結合組織封鎖性は粗造面であるRs群およびAs群で優れる. しかし, 軟組織全体の封鎖性は上皮接着性が前衛, 結合組織封鎖性が後衛として順に作用するため, 双方のバランスが重視される. また封鎖性の長期維持には上皮接着性が大きく影響することが示唆された. 以上より, 軟組織の封鎖性はインプラントの表面性状に大きな影響を受けるため, 歯肉の状態に応じたインプラント体の選択も必要となる.
|