2016 Fiscal Year Research-status Report
マイクロギャップ位置と応力がインプラント周囲骨の初期吸収に及ぼす影響
Project/Area Number |
16K20508
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松崎 達哉 九州大学, 大学病院, 医員 (70736694)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インプラント / マイクロギャップ / 骨吸収 / メカノバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント体とアバットメントの連結部に存在するわずかな間隙であるマイクロギャップへの口腔内嫌気性細菌の侵入や増殖に加え、上部構造への咬合力が加わることでわずかな曲げ応力が発生し、内部に侵入した細菌が近接するインプラント周囲歯肉溝へと溢出しインプラント周囲骨の吸収因子となることは臨床上大きな問題である。 本研究では、連結様式の異なるインプラント体に対して作成した上部構造において、力をかける位置や上部構造のスクリューの締結トルクなどマイクロギャップからの細菌溢出量に影響をもたらすと考えられる様々な因子を条件とし、マイクロギャップからの溶液の溢出量を吸光光度分析法を用いて計測している。これらの条件の違いにより、どのような条件の時に、どのような種類のインプラント体、あるいは上部構造であれば細菌の溢出量を減じ、インプラント周囲炎のリスクを減らすことができるかを知ることは臨床上大変大きな意義をもたらすと思われる。 今後は、複数の連結様式のインプラントーアバットメント連結体に機械的に引張応力を負荷した際に生じるマイクロギャップの実測を行い、そのギャップ量と溶液溢出量の関係を明らかにする。また、マイクロギャップの実測値に基づいた3次元有限要素モデルの作成を行い、シミュレーションによる溶液溢出量の同定を可能にするモデルを作成する。 このことでインプラント上部構造への荷重負荷とマイクロギャップの条件と細菌の溢出に関するプロトコルを作成し、よりエビデンスに基づいたインプラント補綴を行える一助とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連結様式の異なるインプラント体に対して作成した上部構造において、力をかける位置や上部構造のスクリューの締結トルクなどマイクロギャップからの細菌溢出量に影響をもたらすと考えられる様々な因子を条件とし、マイクロギャップからの溶液の溢出量を吸光光度分析法を用いて計測している。これらの条件の違いにより、どのような条件の時に、どのような種類のインプラント体、あるいは上部構造であれば細菌の溢出量を減じ、インプラント周囲炎のリスクを減らすことができるかを知ることは臨床上大変大きな意義をもたらすと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、複数の連結様式のインプラント体ーアバットメント連結体に機械的に引張応力を負荷した際に生じるマイクロギャップの実測を行い、そのギャップ量と溶液溢出量の関係を明らかにする。また、マイクロギャップの実測値に基づいた3次元有限要素モデルの作成を行い、シミュレーションによる溶液溢出量の同定を可能にするモデルを作成する。
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Causes of Carryover |
インプラント体のメーカー選び等の予備実験を行っており、本研究において資金の大多数を使用する予定のインプラント体の購入およびFEMに使用するPCの購入が未だ修了しておらず、次年度に繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定通りの進捗で進んでいるため、今後インプラント体やPCの購入を行うことで予定通りの額使用する予定となっている。
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