2016 Fiscal Year Research-status Report
硬組織再生を目的とした神経堤由来幹細胞の生体内分布解析とその培養方法の確立
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16K20515
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
浦野 絵里 昭和大学, 歯学部, 助教 (20756225)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経堤由来細胞 / 培養方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経堤由来細胞の生体内分布について解析するために、神経堤由来細胞がGFPで標識されるP0-Cre/GFPダブルトランスジェニックマウスを用いて実体顕微鏡にて観察を行った。GFPにて標識された神経堤由来細胞は、頭頚部では鼻甲介、頬粘膜や涙腺などに存在し、体幹部では背皮、膵臓など様々な部分に存在することが確認された。次に、各組織内での局在を解析するため、まずはダブルトランスジェニックマウスから採取した頬髭の毛包について解析を行った。毛包の組織切片を製作し、蛍光免疫染色を行ったところ、毛包のバルジ領域と毛乳頭にGFP陽性細胞が存在することが示唆された。また、以前に申請者らが確立した高純度培養方法によって純化された毛包の神経堤由来幹細胞にとって最適な培養方法の検討を行った。これらの細胞はコラーゲンコート培養皿上においても増殖能を維持していた。一方、低付着性培養皿にて培養を行ったところ、スフェア状に増殖する様子が観察された。申請者らは毛包の神経堤由来幹細胞をBMP-2の刺激により骨芽細胞へ分化誘導することに成功したが、これらの細胞の多分化能について検討を行うため、脂肪細胞への分化誘導を行った。毛包の神経堤由来幹細胞を脂肪細胞分化誘導用培地にて培養すると、脂肪細胞分化マーカーであるリポプロテインリパーゼの発現レベルが上昇した。またオイルレッドO染色によって赤く染まった脂肪滴が検出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
時間的な制約があり、思うように進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ダブルトランスジェニックマウスの頬髭毛包を用いて、培養方法の確立、脂肪細胞への分化誘導に成功したため、平成29年度はこれらを用いて軟骨細胞分化誘導を行う。また実体顕微鏡にて観察した他の組織に存在する神経堤由来細胞を高純度培養方法にて純化し、幹細胞の性質解析、骨芽細胞の分化能の解析を行い、骨再生用細胞ソースの選定を平成29年度上半期に行えるようにする。
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Causes of Carryover |
時間の制約があり、研究の進行が遅れたため、今年度使用する予定だった金額について次年度へ使用することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
頬髭毛包以外の組織の培養方法の確立、骨再生細胞ソースの選定のために使用する。
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