2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of antibacterial temporary prosthetic device
Project/Area Number |
16K20516
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山口 菊江 昭和大学, 歯学部, 助教 (40710421)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インプラント / 暫間補綴装置 / 抗菌性 / プロタミン |
Outline of Annual Research Achievements |
材料および方法は1)チタンプレートへのシリカ表面処理、2)シリカ処理されたチタン表面のRAS, Micro-FTIRによる分析、3)チタン表面の抗菌性試験(JIS Z2801試験)、4)義歯表面への応用検討(最適条件の検索)である。 シリカ処理した表面に吸着したプロタミンは、S.Aureusに対し1/1000以下、E.Coliに対しては1/10000に3hで菌数を減少させる抗菌性を示し、さらにC.Albicansに対し24hで1/10000以下に菌数を減少させる強い抗真菌活性を示した。 抗菌性ペプチドがシリカに吸着しているのであれば、暫間補綴装置表面をシリカ処理すれば、暫間補綴装置が抗菌性を持つと考えられる。一般的には、陶材や金属、それも歯冠部分の狭いエリアに対して行う処理であるので、広範囲かつ耐熱性の低い義歯、レジンに対して義歯素材を傷めずに十分に処理する最適条件を求めて実験した。 サーモグラフィーによりシラノペンの炎の先端でシリカ粒子の流れが急激に上昇するのがわかる。義歯表面に近づけすぎると焼ける。これを防ぐために下からゆっくり炙り約10cmの距離を保ち、温度も100℃を超えることはない。したがって、義歯の表面を損傷することはない。シリカ処理した金属表面にプロタミンが吸着することがわかった。抗菌試験では、表面処理した試料では30分で1/1000にS.Aureusの菌数を減少させた。シリカに吸着したプロタミンは真菌を含む幅広い抗菌効果を示す可能性がある。今後の増加の一途をたどるインプラント補綴に対し、抗菌性暫間補綴装置への適応が期待されるが、更なる研究が必要である。
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