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2016 Fiscal Year Research-status Report

コラーゲンからみた酸化ストレスによる骨脆弱化のメカニズム

Research Project

Project/Area Number 16K20528
Research InstitutionFukuoka Dental College

Principal Investigator

山口 雄一郎  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (50757945)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsコラーゲン / 線維形成 / 骨芽細胞 / マトリックス
Outline of Annual Research Achievements

インプラントや歯の寿命には少なからず骨質が関与すると推測されるが,骨質を明確に診断する術がない.骨質にはコラーゲンが大きく関わっており,コラーゲンの分子間架橋の減少やコラーゲンのリジン残基の水酸化の増加によるコラーゲン線維形成の抑制的制御によって骨基質の3次元的テンプレートの変化が骨質に関与することが明らかになってきている.酸化ストレスへのレスポンスに関与する遺伝子を欠失させるとコラーゲン分子間架橋の減少が起こることから,酸化ストレス下での骨芽細胞が産生する骨基質の変化に関連する因子を同定すれば,骨質診断のマーカーとなりうると発想した.今年度は未だ明確でない酸化ストレス下での骨芽細胞が産生する骨基質の変化の様相を明らかにすることを試みた.
骨芽細胞様株化細胞MC3T3-E1細胞が産生するマトリックスに過酸化水素処理がどう影響するかを調べた.マトリックスのピクロシリウスレッド染色による偏光顕微鏡下での色調は,0~0.025 mMの過酸化水素存在下では主にオレンジ色や黄色を呈していた.0.05~0.1 mMではオレンジ色が減って黄色と緑色をベースとした色調となり,0.2~0.3 mMでは緑色のみの色調となった(0.4 mM以上では細胞が死に至る).これを反映するようにマトリックスの石灰化も0.05 mM以上で有意に抑制された.ピクロシリウスレッド染色後の色調変化から,マトリックス中のコラーゲン線維は0.05 mM以上の過酸化水素処理によって抑制されており,マトリックスのコラーゲンテンプレートの変化と同時に石灰化の抑制が起こっている可能性が示された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

酸化ストレスによって骨芽細胞が分泌する主要マトリックスであるコラーゲンの線維形成が抑制されることが把握できた.この現象が把握できたことにより,コラーゲン線維形成に及ぼす因子にターゲットを絞り,その分子メカニズムの解明への足掛かりを得ることができたため.

Strategy for Future Research Activity

酸化ストレスによるコラーゲンマトリックスの変化と同時に起こる,それらと強く関連している可能性が高い分子の遺伝子発現を調べる.対象分子は,コラーゲンの翻訳後修飾やコラーゲンらせん形成に関わる粗面小胞体周辺の分子群とする.

Causes of Carryover

研究のための消耗品は研究室の在庫のものでかなりを賄えたことと,次年度にrealtime PCRを行い,高額になると予想され,節約したため.

Expenditure Plan for Carryover Budget

主にrealtime PCRを行う.予備実験としてhouse-keeping gene10分子からの最適なgeneを決定し,その後対象のターゲットを10以上の分子のrealtime PCRを行う予定である.

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 骨粗鬆症におけるコラーゲンの翻訳後修飾と線維形成2016

    • Author(s)
      松浦尚志,有馬裕子,山口雄一郎,佐藤博信
    • Organizer
      第23回日本歯科医学会総会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場(福岡県・福岡市)
    • Year and Date
      2016-10-21 – 2016-10-23

URL: 

Published: 2018-01-16  

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