2017 Fiscal Year Research-status Report
コラーゲンからみた酸化ストレスによる骨脆弱化のメカニズム
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16K20528
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
山口 雄一郎 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (50757945)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コラーゲン螺旋形成 / コラーゲン線維形成 / 骨芽細胞 / 酸化ストレス / 骨基質 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに過酸化水素による酸化ストレスによって,骨芽細胞様株化細胞であるMC3T3-E1細胞が分泌する骨基質は石灰化が遅れ,コラーゲン線維が細くなるなどの基質の脆弱化を呈している可能性を示唆した.本年度はその骨基質の脆弱化にどういった分子が関係しているかを絞り込むためにコラーゲン線維形成に関わる分子の遺伝子発現をリアルタイムPCR法で検討した. 検討した分子は,Ⅰ型コラーゲン分子に結合してコラーゲン線維形成を特性的に制御するⅤ型コラーゲンおよびデコリンと,細胞内の小胞体でコラーゲン分子が三重螺旋形成をする際に,その形成に関与するpeptidylprolyl isomerase(Ppib),prolyl 3-hydroxylase 1(P3h1),cartilage associated protein(Crtap),serpin family H member 1(Serpinh1)およびFK506 binding protein 10(Fkbp10)である.意外なことに検討した全ての分子の発現量は酸化ストレス下とコントロールで,有意な相違を認めなかった.従って,酸化ストレス下で,骨芽細胞が分泌する骨基質が脆弱化するのは,細胞外でのⅤ型コラーゲンやデコリンの作用によるものではなさそうであり,また細胞内の小胞体でのコラーゲン分子の三重螺旋形成に関わる分子の量の変化によるものでもなさそうであることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
酸化ストレスによる骨基質の脆弱化がどの分子によって起こっているかはまだ不明なため.
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Strategy for Future Research Activity |
さらに関連する分子の遺伝子発現を調べ,関連しそうな分子に関してはタンパク量も検討する.
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Causes of Carryover |
リアルタイムPCRの予備実験に手間がかかり,そのため少ない分子の検討しかできなかったため.次年度は分子の検討を増やし,かつウエスタン分析などのタンパクレベルの検討を行うため,本年度使用できなかった金額をそれにちょうど割り当てられる予定である.
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