2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular basis of novel bone regeneration pathway of cultured periosteum sheet
Project/Area Number |
16K20534
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
上松 晃也 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (80758889)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯槽骨再生 / 細胞治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究グループではヒト骨膜細胞を培養することによって作製される骨膜シートを用いた歯槽骨再生療法の研究を行っている。臨床応用も行っており、一定の再生効果を確認している。しかし、その再生の機序の詳細は未だ明らかではない。今回骨膜シートの骨再生に骨髄に存在するMSCが関与しているとの仮説の元、検証を行った。骨髄細胞のみがGFP標識されたキメラマウスを作製後、その背部皮下に骨膜シートを移植して移植局所に骨髄由来細胞が遊走してくるかを評価した。8週後にキメラマウスより摘出し免疫染色を行ったところ、骨膜シート周囲に血管の新生が生じてきており、骨髄由来のGFP陽性細胞が骨膜シート移植局所に集積を認めた。また、この集積は幹細胞用培地で作製した未分化な骨膜シートよりも汎用培地のM199で作製した骨膜シートの方に多く見られることが明らかになった。一方で移植前の骨膜シートのmRNA発現の解析の結果においてもMSCを局所に遊走させるSDF-1の発現が幹細胞用培地の骨膜シートにおいて有意に上昇を認めた。これらの結果を統合すると骨膜シートの骨再生は骨膜シートの放出しているグロースファクターが局所にMSCを遊走させてくることによって生じていることが示唆された。遊走してきた骨髄由来細胞は局所で骨芽細胞へ分化し骨形成を行っていくと推察される。この仮説を裏付ける所見としてはMSCの遊走が多い汎用培地M199で作製した骨膜シートの方がより石灰化が生じていたことが挙げられる。今後はより再生効果の高い骨膜シートの作製条件を模索していく予定である。
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