2018 Fiscal Year Annual Research Report
Risk assessment of the vein at the floor of the mouth and prediction of arterial supply in implant surgery
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16K20535
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
勝見 祐二 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70600047)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口底部出血 / 口底部 / 静脈叢 / 肉眼解剖 / オトガイ下静脈 / 舌下静脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
2007年に起きたインプラント手術による死亡事故は、オトガイ下動脈の損傷による大量出血が原因であった。これまで我々は、下顎骨インプラント埋入時の口底部出血の危険因子の検証を目的に、口底部を栄養するオトガイ下動脈と舌下動脈の3次元的走行を肉眼解剖学的に検索し、動脈走行のパターン化と歯種別リスクを調査し報告してきた。一方で、口底部静脈叢は損傷部位の特定が難しく、これと関連する遅延性の後出血を臨床で経験するが、その解剖学的知見は乏しい。そこで今回、口底部静脈の走向様式を解剖学的に検索した。得られた知見と過去に我々が報告した動脈走行パターンとの関連性も検索した。平成28~30年度新潟大学歯学部・大学院人体解剖学実習用のご遺体で頭部離断および半切した下顎骨27体54側を用いて、①口底部静脈叢を構成する静脈根の特定と様式化を試みた。②静脈と動脈の関連性として、顎舌骨筋を貫通するオトガイ下動静脈の頻度を調査した。結果として、①口底部の静脈叢を構成する静脈根は、オトガイ下静脈、舌下神経伴行静脈、舌下静脈、舌深静脈に加え、舌神経および顎下腺管に伴行する今回新たに命名した舌神経伴行静脈と顎下腺管伴行静脈の計6本から構成されることが明らかになった。これらは個体により欠如や複数化する静脈根の有無のバリエーションがあったが、すべての静脈根をもつ静脈叢が基本型であり、動脈のようなパターンは存在しなかった。②オトガイ下静脈の顎舌骨筋への貫通の有無の観察だけでは、オトガイ下動脈および口底部動脈の走向パターンを特定することは困難であった。手術時における静脈のリスク判定に関しては、静脈叢は広範に存在するため、動脈のような走行範囲に特異的なものはなく、どの部位にも一定のリスクが存在すると考えた。また、顎舌骨筋を貫くオトガイ下静脈や、各神経および顎下腺管に伴行する静脈根に留意する必要があると考えられた。
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Research Products
(1 results)