2016 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質固定化技術を用いた生体適合性インプラントの開発
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16K20546
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
鈴木 琢磨 鶴見大学, 歯学部, 助教 (80739334)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マクロファージ / 炎症性サイトカイン / 創傷治癒促進因子 / チタン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インプラント埋入後の創傷治癒を促進するため、埋入後の早期段階においての白血球に着目した。 まず、マクロファージ活性化因子として知られるGranulocyte-macrophage colony stimulating factor(GM-CSF)をチタンへ固定化する前に、マクロファージのGM-CSFに対する反応を評価した。Pst上(96well)とチタンディスク上(Φ6mm)でマウス由来マクロファージ(RAW264.7)を1×105cells/cm2培養し、炎症性サイトカインであるTumor necrosis factor-α(TNF-α), 創傷治癒因子であるInterleukin-4(IL-4)の変動について比較検討を行った。またマクロファージ活性化因子としてGM-CSFを添加したときのサイトカインの変動についても評価した。 サイトカインの評価は,培養器へ播種してから24,48時間をタイムポイントとして設定しELISAを用いて評価した。結果は、TNF-αについては24,48時間でそれぞれPst<Ti、Pst<Tiという結果が得られた。IL-4については24,48時間でそれぞれPst≧Ti、Pst>Tiであった。また、GM-CSFを添加した場合では、TNF-αについては24,48時間でそれぞれPst<Ti、Pst<Tiであった。さらに、Pst上とTi上での細胞数の比較では、24,48時間でPst>Ti、Pst≒Tiという結果になった。 今後得られたデータをもとに、動物実験へ移行するかどうか検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まずはGM-CSFをチタンディスクへ固定化する前に、添加系で培養してみたところ、培養器上において、TNF-αが上昇し、IL-4はほとんど差が認められなかった。GM-CSFをチタン基材に固定化する予定であったが、細胞形態や細胞数の違いなどもう少し添加系で検討する必要があると考えられた。当初の研究計画から実験方法などを若干変更し研究を進めている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータにおいて培養器(Pst)上では、GM-CSF添加の有無で比較すると創傷治癒因子であるIL-4に変動は認められなかったが、Ti上で培養した場合は有意に上昇していた。これは基材による違いが影響していると考えられる。これらを検証するため、今後、細胞増殖、形態をMTTアッセイ、SEM観察により比較検討していく。 また、動物実験にも徐々に移行していく予定である。
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