2017 Fiscal Year Annual Research Report
EDTA soluble chemical components and the conditioned medium from mobilized dental pulp stem cells (MDPSCs) contain inductive microenvironment
Project/Area Number |
16K20549
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
林 勇輝 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (10756547)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯髄再生 / 微小環境 / 幹細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
本実験において塩酸、グアニジン塩酸、EDTAの順に段階的に歯根の処理を行った結果、EDTA処理後に、歯髄再生能、血管新生能、および象牙芽細胞数が未処理歯根と比べて有意に減少した。また歯髄マーカーの発現を比較すると、EDTA処理歯根において、未処理、塩酸処理およびグアニジン塩酸処理歯根と比較してほとんどその発現が無くなり、歯根膜マーカーの発現が有意に高くなった。これらの結果から、EDTA処理により歯髄再生に必要な化学的微小環境を構成する因子が抽出されていることが示唆された。 グアニジン塩酸およびEDTA処理によって、象牙質内より抽出可能な因子として、ほとんどの非コラーゲンタンパクが含まれていると報告されている。そこで非コラーゲンタンパクの混合物であるEDTA抽出液をオートクレーブ処理による不活性化歯に再付着させて、歯髄再生に関与する微小環境の再構成について検討したところ、EDTA抽出液の再付着のみでは歯髄は再生しなかった。EDTAは非コラーゲンタンパクを中心に抽出するため、歯髄再生に関与する因子が不足し、歯髄再生が誘導されなかったと考えた。そこで、接着能、増殖能、細胞遊走促進効果、血管形成促進能、象牙芽細胞分化能に効果がある因子を含む上清を不活性化歯根に付着させたところ、歯髄の再生が観察された。 さらに、EDTA抽出液と上清を混和し付着させることで、上清単独を付着させたときより、歯髄再生能および根管壁の象牙芽細胞数が有意に増加した。一方、EDTA抽出液と上清の両方を付着させても血管新生量に関しては上清のみと比較して有意差は無かった。
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