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2016 Fiscal Year Research-status Report

エムドゲイン由来合成ペプチドの血管新生誘導能を利用した歯周組織再生療法の基盤構築

Research Project

Project/Area Number 16K20551
Research InstitutionOsaka Dental University

Principal Investigator

高橋 宰達  大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (80734342)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords歯周組織再生 / エナメルマトリックスデリバティブ / 血管内皮細胞
Outline of Annual Research Achievements

幼若ブタの歯胚から抽出されたエムドゲイン(以下,EMDと略す)は,歯周炎患者の歯周組織再生材料として現在広く臨床応用されている.しかし,EMDは生物由来材料のため,生物に由来しない合成ペプチドの開発が望まれていることから,EMDの基礎研究から得た成果を基に新規合成ペプチドを作製した.今回,硬組織の分化誘導過程における重要な歯周組織構成細胞であるヒト微小血管内皮細胞に対する,EMD由来新規合成ペプチドの影響について検討した.
市販されている皮膚由来のヒト微小血管内皮細胞を実験に供試し,新規合成ペプチドの影響としては,細胞の増殖,遊走,管腔の形成および細胞接着分子の発現について検討した.実験群では合成ペプチドを100ng/mlの濃度で培地に溶解させヒト微小血管内皮細胞に応用し,対照群は無添加とした.細胞増殖に関しては,30分,1,3,6,24,72時間培養後に,細胞遊走に関してはBoyden chamber法を改良して,1,3,8時間後にそれぞれを測定した.管腔の形成は,三次元培養を施し培養6日後に細胞骨格を蛍光染色し,観察した.細胞接着分子の発現は,培養3日後のICAM-1の発現について比較検討を行った.
細胞増殖は,すべての培養時間で実験群はコントロール群に比べて有意に高かった.細胞遊走は,すべての培養時間でネガティブコントロール群よりも有意に高く,ポジティブコントロール群とほぼ同様の結果となった.三次元培養においては,実験群はコントロール群に比べて細胞突起の発生が顕著であった.ICAM-1の発現について,実験群はコントロール群に比べて有意に高かった.
これらの結果から,EMD由来の合成ペプチドは歯周組織再生の過程でみられる硬組織の分化誘導過程の栄養供給に関与する,ヒト微小血管内皮細胞の増殖・遊走・管腔の形成および細胞接着分子の遺伝子発現を促進することが示唆された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

in vitroの実験系において,至適濃度の策定は非常に重要な過程であり,その過程は順調に進んでいると思われる。また血管新生マーカーの遺伝子発現に関しては,検索が終了していないが,現在進行中で平成29年度初旬には完了の予定である。

Strategy for Future Research Activity

in vitroの実験系に関しては,おおむね良好に推移しているので,平成29年度はin vivoの実験系を推進してく予定である。そこで重要となるのがEMD由来新規合成ペプチドにGFP標識を行い投与することであるが,費用・手技の両面にわたって困難を要する。共同研究先で新規合成ペプチドを検出するモノクローナル抗体も作成していることから,それらを用いて実験を行うことも検討する。

Causes of Carryover

リアルタイムPCR用のTaqmanプライマーなどの消耗品を購入予定であったが,所属研究室にまだ残っており,それらを使用していたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

リアルタイムPCR用のTaqmanプライマーを平成28年度に購入予定であったが,平成29年度の初旬に購入予定で平成28年度の残余予算はそれらに充当する予定である。

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Published: 2018-01-16  

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