2017 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism of BRONJ development by inflammation: The role of phosphate transporters.
Project/Area Number |
16K20556
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木山 朋美 東北大学, 歯学研究科, 助教 (40756011)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ビスホスホネート / 顎骨壊死 / トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ビスホスホネート(BP)の細胞内取り込み機序の同定、および感染による顎骨壊死発症促進機序の解明から、BP関連顎骨壊死(BRONJ)の発症機序の根本的解明・治療法の確立へと発展させることであった。 口腔および周辺各組織に局在する細胞内膜取り込み機序である、SLC34に焦点を当て、検討を行った。血管内皮細胞から、SLC34遺伝子をsiRNAにより除去し、N-BPの細胞毒性とradio-isotope標識N-BPの取り込み量の評価を行った。その結果、siRNA処理されていない血管内皮細胞に比べ、SLC34遺伝子ノックダウン細胞株では、細胞毒性が減少し、radio-isotope標識N-BPの細胞内取り込み量も減少した。また、Vascular Corrosion Casting Systemを用い、マウスBRONJモデルにおける抜歯部位周囲の血管障害状態の評価を行った。その結果、SLC34コンディショナルノックアウトマウスでは、野生型に比べ、血管障害の抑制がみられた。 また、感染による顎骨壊死発症促進機序を解明するため、LPSと血管内皮細胞との相互作用を評価した。まず、血管及び血管内皮細胞が豊富な組織であるマウス耳介を用いて、LPSの局所的な炎症促進作用を検討した。すると、LPSはマウス耳介における炎症作用を有意に上昇させた。また、同部位におけるリン酸トランスポーターの発現も有意に上昇した。さらに、マウス血管内皮細胞において、BPの持つ細胞毒性、およびリン酸トランスポータ―の発現に対するLPSの影響も検討した。その結果、LPSは細胞毒性を増強させ、リン酸トランスポーターの発現を有意に上昇させた。これらの結果から、LPSは血管内皮細胞に発現するリン酸トランスポーターの発現を上昇させ、血管内皮細胞に対する細胞毒性を増強させることで、顎骨壊死発症を促進する可能性が示唆された。
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