2016 Fiscal Year Research-status Report
進行性下顎頭吸収におけるADAMTS4発現に対する高分子量ヒアルロン酸の効果
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16K20557
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
片岡 良浩 東北大学, 大学病院, 助教 (50714698)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 進行性下顎頭吸収 / 下顎前方移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国において難治性疾患の1つに挙げられる進行性下顎頭吸収(Progressive Condylar Resorption: PCR)は骨格性下顎後退症に対して行う下顎骨延長術や下顎枝矢状分割術における下顎骨の前方移動などの顎矯正手術後に下顎頭が進行性に吸収する病態をいい、術後の後戻りの原因の1つとなっているが、そのメカニズムについては明らかになっていないのが現状である。下顎頭の吸収には顎関節を構成する軟骨や滑膜にメカニカルストレスや炎症性変化などによる変性が生じていると考えられる。そこで本研究ではウサギの下顎骨前方移動モデルを作成しその顎関節滑膜および軟骨におけるプロテアーゼの発現を同定および抗炎症作用を持つ高分子量ヒアルロン酸による効果を解析することを目的としている。 今年度は下顎骨前方移動モデルの作成において骨切りラインを正中部に変更した。研究の成果として術後1週、2週、4週での下顎頭の形態をμ-CTで解析したところ術後1週では下顎頭の吸収はみられなかったが、術後2週、4週で前方移動側の下顎頭の吸収を認めた。当初の計画では顎関節の滑膜細胞を培養し細胞外マトリックス破壊に関わっていると思われるプロテアーゼであるADAMTS4の遺伝子発現をReal-time RT-PCR分析予定であったが、まずは免疫組織化学的にADAMTS4の発現を確認したのちに分子生物学的な解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
骨切りモデルの変更があり、下顎頭吸収の確認のために時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
顎関節滑膜の培養について最適な条件を模索する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は下顎頭吸収モデルの変更に伴う骨吸収の確認作業が必要であったため、当初の計画より進行が遅れている。その為、プロテアーゼの解析に必要な抗体や試薬の購入まで行えていないのが現状である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抗体や試薬の購入を次年度に持ち越す予定である。
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