2018 Fiscal Year Annual Research Report
Treatment strategy for occult cervical lymph node metastasis of oral caner targeting for COX-2 and chemokine system in oral cancer
Project/Area Number |
16K20558
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小川 将 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (70622041)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | COX-2 / PGES / 口腔扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
COX-2はアラキドン酸からプロスタグランジン合成への律速段階を調節する酵素である.腫瘍組織に誘導されたCOX-2はアポトーシスを抑制し、血管新生を増強させ,腫瘍細胞に浸潤能を獲得させる.さらにプロスタグランジンE2を誘導し,免疫抑制を惹起することで癌の増殖,浸潤,転移に関与していると考えられている.今回われわれは舌扁平上皮癌についてCOX-2代謝に加えその下流酵素および受容体と臨床病理所見との関連性について検討を行った.COX-2は,頸部リンパ節後発転移症例, 高悪性型(浸潤様式 INF-C)に有意に高発現を認め,舌癌における後発リンパ節転移予測因子および悪性度の指標となり得る可能性が示唆された.COX-2の下流酵素であるPGESはCOX-2と同様に舌扁平上皮癌細胞に高発現を認め,COX-2発現と有意な相関が認められた。臨床病理学的因子との関連性の検討では,COX-2と同様に頸部リンパ節後発転移の症例で有意に高発現を認め, 舌扁平上皮癌の進展(特に頸部リンパ節転移において)へのCOX系代謝の連関が示唆された. 各EPレセプターの発現を正常舌粘膜細胞と舌扁平上皮癌細胞とで比較したところ、EP2RとEP4Rは有意に高い発現を認めた.さらに,統計解析では,COX-2およびPGESと同様に頸部リンパ節後発転移との関連性が認められた.舌扁平上皮癌において,COX-2とPGESおよびそのreseptorであるEP2R,EP4Rの発現を認めた.COX-2選択的阻害薬がその副作用の面で問題が生じたことから,PGESやEP2R,EP4Rが新たな治療の標的となる可能性があり,今後さらなる検討を行う予定である.
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Research Products
(1 results)