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2016 Fiscal Year Research-status Report

DNA脱メチル化を指標とした口腔がん新規エピゲノム治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 16K20567
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

市村 典久  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90770280)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywordsエピジェネティクス / DNA脱メチル化
Outline of Annual Research Achievements

がんの発生にはゲノム異常に加えて、DNAメチル化、ヒストン修飾、ヌクレオソーム調整因子、非翻訳RNAのすべてのエピゲノム機構に制御異常があることが明らかとなった。とりわけ、DNAメチル化(5mC)はがん抑制遺伝子の発現を負に制御する修飾として、がん細胞の増殖や生存に寄与することが分かっている。これまでに口腔がんにおけるメチル化異常の研究は散見されるが、脱メチル化の観点からエピゲノム異常を検討した研究は皆無であり、その可能性は未知である。本研究は、口腔がんにおけるTET1の機能および臨床病期、予後との関連を解析するものであり、脱メチル化機構を標的とした新規エピゲノム治療法の開発を目的としている。
平成28年度は主に細胞実験を中心に研究を進めた。まず正常ヒト初代培養細胞である口腔ケラチノサイト(HOK)細胞と口腔癌細胞株でTET1遺伝子の発現をmRNAレベル、蛋白レベルで解析したところ、口腔癌細胞株で有意にTET1の発現上昇を認めた。またsiRNAにてTET1をknock downしたところ、癌細胞において増殖能および遊走能の減少を認めた。次に公共データベースであるThe Cancer Genome Atlas(TCGA)にて口腔癌患者の正常組織と癌組織を比較したところ、細胞実験と同様、癌組織で有意にTET1の発現上昇を認めた。さらにTET1の高発現を認めた症例では、有意に原発腫瘍の広がりが大きかった。以上の結果より口腔癌においてTET1がoncogenicに機能している可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

予定された実験は概ね遂行することができたが、当初の仮説に反してTET1は口腔癌においてoncogenicに機能する可能性が示唆された。これは平成28年度の細胞実験および公共データーベースによる解析にて得られた結果である。この結果を支持するための追加の実験が必要となったため、当初の予定よりやや遅れた結果となった。

Strategy for Future Research Activity

平成29年度は臨床検体を用いた解析を計画しているが、平成28年度の細胞実験に引き続き、マイクロアレイを用いたTET1の標的遺伝子の同定も併せて行う予定である。siRNAにてTET1をknock downした際に発現の変動する遺伝子をマイクロアレイを用いて網羅的に解析し、共通に発現の低下した遺伝子を同定する。さらに細胞株を用いてReal Time-RT-PCR にて同定した遺伝子のvalidationを行う予定である。これらの結果を統合してTET1とその上流、下流のpathwayをターゲットとした新規治療標的の同定を目指す。

Causes of Carryover

本年度は当初の仮説に反した結果が出たため予定していた実験を履行することが出来ず、使用予定であった試薬を購入することが出来なかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成28年度で使用予定だった試薬を平成29年度分の予算で購入し、追加で実験を履行する。

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Published: 2018-01-16  

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