2016 Fiscal Year Research-status Report
薬剤誘発性顎骨壊死に関する遺伝学的要因の解明に関する研究
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16K20570
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅井 啓太 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (10646376)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 顎骨壊死 / 骨髄炎 / 口腔外科 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、当科を受診したMRONJの患者は申請時よりも増加しており 352症例 男性72例 女性280例 平均年齢:70.3歳となっている。あらたに受診した患者についても、発症部位、投与製剤、投与期間、MRONJの重症度、原疾患、既往歴などの詳細な情報を新たに収集している。現在は、臨床データの収集については既に倫理委員会の承認を得ているが、遺伝子研究に関連した計画を京都大学大学院医学研究科および京都大学附属病院の倫理委員会の承認を申請中であり、承認が得られていない。そのため、臨床研究を中心に計画を進めている。 本年度では、ビスフォフォネート関連顎骨骨髄炎に対する外科治療の有効性と高圧酸素療法併用の効果を検討した。当科においてBROMJと診断された男性57名,女性237名,平均年齢69.7歳 を対象とした.外科的治療の分類については,手術なし,局所的な掻把,腐骨除去とした.症状改善の有無についてBRONJのstage分類を用いてstageが不変もしくは増悪した症例を非改善群,stageが改善した症例を改善群とした.症状改善の有無と外科的治療との関連について統計学的に検討した.つぎに外科的治療による症状改善の有無を目的変数とし,HBO併用の有無,投与経路,ステロイドなどの要因との関係について検討した.297例中80%で症状の改善を認めた.改善した症例のうち82%で外科的処置が施行されていた.外科的治療を行った200名のうち95%で改善を認めた.腐骨除去施行の有無とHBOの併用が外科的治療による改善の有無と有意な関連を認めた.今回の調査によりBROMJ患者に対し外科的治療が有効である可能性が示唆された.また,外科的治療を行う場合は,高圧酸素療法併用が有効であると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床データの収集については既に倫理委員会の承認を得ているが、遺伝子研究に関連した計画を京都大学大学院医学研究科および京都大学附属病院の倫理委員会の承認を申請中であり、承認が得られていない。承認が得られれば、対象となる患者に同意を得たうえで血液を採取し、白血球からDNAを抽出準備を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究と同時に動物実験を進めていく。動物実験により様々な遺伝子改変マウスを用いた実験を行う。動物実験では遺伝子改変マウスに対し、代表的な歯性感染症である辺縁性歯周炎モデルを使用する。また、細菌についても、Actinobacillus actinomycetemcomitans, Bacteroides fursythus, Fusobacterium nucleatum, Porphyromonas gingivalis, Prevotella intermedia, Tannerella forsythensis, Treponema denticolaなど歯性感染症の代表的な口腔内細菌を使用する。
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Causes of Carryover |
遺伝子研究に関連した計画を京都大学大学院医学研究科および京都大学附属病院の倫理委員会の承認を申請中であり、承認が得られていない。現在は、臨床研究を中心に計画を進めている。 倫理員会の承認を得てから解析を実施する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遺伝子研究に関する倫理委員会の申請が終了すれば、ゲノムに関する研究を進めていく予定であり、最も費用の掛かる遺伝子解析に使用するため
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Research Products
(1 results)