2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K20573
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野 瞳 大阪大学, 歯学研究科, 特任研究員 (70754810)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 唾液腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、再生療法の研究が盛んに行われているが、唾液腺治療に臨床応用された報告はない。そこで我々は臨床応用可能な唾液腺再生を目標とし、口腔乾燥症改善薬であるピロカルピン塩酸塩(以下ピロカルピン)の投与による唾液腺組織に対する作用の検討を行った。まずシェーグレン症候群者に対するピロカルピンの継続投与における有効性を後方視的に調査し、さらに唾液腺組織におけるメカニズムを検討するためシェーグレンモデルマウスを用いて分子生物学的解析を行った。 具体的な研究結果としてはまず大阪大学歯学部附属病院ドライマウス外来を通院した患者のうちピロカルピンを服用した患者について、診療録を参考に患者背景・服用量・唾液分泌量・VASによる自覚症状を調査した。その後ピロカルピン継続服用の有効性とそのメカニズムを検討するため、ピロカルピンを投与したマウスの分子生物学的解析を行った。その結果、6か月間服用が確認された症例では、継続投与することで唾液分泌および自覚症状が改善され口腔乾燥症状が緩和された。またWTおよびシェーグレンモデルマウスを用いた実験において、ピロカルピン継続投与群では単回投与群と比べて唾液分泌量は有意に増加していた。さらに唾液腺における遺伝子発現を解析したところ、継続投与マウスでは唾液腺前駆細胞マーカーKeratin5および唾液腺マーカーAQP5、Amylaseの発現増加を認めた。マウスを用いてピロカルピンが唾液腺マーカーおよび前駆細胞マーカーの発現を上昇させることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究結果を国内外の学会で発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
ピロカルピンは、患者に合わせた適切な量を設定し継続投与することが有効あることが示された。またピロカルピンの継続投与は前駆細胞の活性化に寄与している可能性が考えられ、近年注目されているドラッグリポジショニングとしての応用するための研究が必要である。
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Causes of Carryover |
培養条件の設定に時間を費やし研究が遅れている。そのため、培養時間、ステップを増やして条件を設定し、引き続きサンプルの回収を継続する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本実験には細胞培養関連試薬、遺伝子工学試薬、生化学実験用試薬を用いる。唾液腺に障害を与え再生を図り観察を行う実験に関しては成体メスマウスを用いる予定であるが、唾液腺の再生過程を継時的に観察するために多くの実験動物が必要である。また妊娠マウスから胎仔唾液腺を採取するため、マウスの維持、継代が必要となる。
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Research Products
(2 results)