2018 Fiscal Year Annual Research Report
The elucidation of stem cell in salivary gland reproduction by using drug
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16K20573
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
皆木 瞳 大阪大学, 歯学研究科, 特任研究員 (70754810)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 唾液腺 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は唾液腺再生における前駆細胞の作用機序を詳細に解明することで唾液腺再生を目指した研究である。 申請者は既存薬であるピロカルピン塩酸塩を用いて唾液腺組織の解明を行い、権威ある論文に投稿し掲載された(1: Minagi HO, Ikai K, Araie T, Sakai M, Sakai T. Benefits of long-term pilocarpine due to increased muscarinic acetylcholine receptor 3 in salivary glands. Biochem Biophys Res Commun. 2018 Sep 5;503(2):1098-1102. doi:10.1016/j.bbrc.2018.06.125. Epub 2018 Jul 3. PubMed PMID: 29953856.)。唾液腺機能低下は虫歯や口腔乾燥、味覚障害、嚥下障害など、日常生活に支障をきたす副作用をもたらす。ピロカルピンは既に臨床で広く用いられている強力な唾液分泌促進作用を有する症状改善薬である。今回、私たちは大阪大学歯学部附属病院ドライマウス外来にてピロカルピンによる服用治療を行ったシェーグレン患者について診療録を参考に患者背景・服用量・副作用・サクソンテストによる唾液分泌量・VASを調査し、ピロカルピンの有効性と安全性を後方視的に検討した。またICRマウスを用いて、ピロカルピン継続服用の有効性と機序を検討するため分子生物学的解析を行った。マウスの実験では、ピロカルピンを反復投与すると単回投与と比べて唾液分泌量が有意に増加しており、唾液腺マーカーおよび前駆細胞マーカーの発現増加を認めた。推奨量より少ないピロカルピン服用量で唾液分泌能や自覚症状の緩和が保たれており、服用量を調整することがQOLに寄与している可能性があると考えられた。以上の結果から唾液分泌量の維持にはピロカルピンの反復投与が有効であり、前駆細胞の活性化に寄与している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)