2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the efficacy of titanium nanoparticles in oral cancer
Project/Area Number |
16K20574
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
筧 康正 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (70772896)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / 放射線増感剤 / 口腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
臓器へのダメージを軽減しつつ、放射線の抗腫瘍効果を高めることは、口腔悪性腫瘍に対する放射線治療の重要な課題である。有望な放射線増感剤の一つが金ナノ粒子である。本研究では、金ナノ粒子(AuNP)が口腔がん細胞へのX線照射効果を増強する可能性があるかどうかを調べることを目的とした。ヒト頭頸部癌細胞株HSC-3を用いた。4つの濃度(0.1、0.4、1.0および10.0nM)の5nm AuNP単独、3つの線量(2、4および8Gy)のX線照射単独、または4GyのX線照射と1.0nM AuNPの組み合わせで処理した対照細胞と細胞の間で、総細胞数、細胞増殖およびアポトーシスのレベルを比較した。異なるグループを比較するために、分散分析およびTukey-Kramer検定を行った。4Gy及び8GyのX線照射後、細胞総数は対照群と比較して有意に減少した(対照群 vs. 4Gy、P=2.19×10-4、対照群 vs. 8Gy、P=1.28×10-6)。4Gy X線照射と1.0nM AuNPの併用は、4Gy X線照射のみの場合と比較して、細胞総数を有意に減少させた(P=2.95×10-4)。AuNP処理単独、4Gy X線照射単独、またはX線照射とAuNPの組み合わせでは、細胞増殖に影響はなかった。4Gy照射と1.0nM AuNPの併用は、4Gy照射単独と比較してアポトーシス細胞数を有意に増加させた(P=0.0261)。結論として、AuNPとX線照射の併用は、アポトーシスの誘導を介してin vitroでヒト口腔癌細胞に対する細胞毒性効果を高めたが、細胞増殖の阻害は認められなかった。
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