2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K20575
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
武田 大介 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80755637)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 癌幹細胞 / 幹細胞性因子 / 低酸素 / 分化度 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、癌幹細胞理論が提唱され、癌幹細胞が治療抵抗性や再発に重要な役割を果たしていると考えられている。また癌幹細胞がその幹細胞の性質を維持するためには、癌細胞周囲微小環境が必要とされ、上皮系腫瘍である扁平上皮癌が、間葉組織で新たに転移巣を形成できるのは、自己複製能をもつ癌幹細胞様の細胞が存在するからだと考えられている。われわれは、過去に癌細胞のエネルギー代謝の変化や低酸素環境に着目し報告してきたが、本研究の目的は、原発巣のみならず転移巣での癌幹細胞の動向を解明し、特異的な癌幹細胞周囲微小環境を変化・抑制させることでリンパ節転移が抑制されるという仮説をもとに新たな知見を得て、より未分化で悪性度の高い癌幹細胞への進行を制御する方法を発見することである。 in vitroの検討で、ヒト口腔扁平上皮癌細胞株(HSC-3)を継代培養し、通常培養と低酸素培養を行い、酸素条件の違いによる幹細胞性因子(Oct3/4, Sox2, c-Myc, Klf4, Nanog)の発現をReal-time PCRで検討した。また臨床検体を用いて、原発巣と同由来の正常組織と比較した、分化度の違いによる幹細胞性因子の発現をReal-time PCRで検討した。低酸素培養細胞と、中分化型および低分化型臨床検体で、Oct3/4, Sox2, Nanogの有意な発現増加が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroと臨床検体を用いた研究で、ヒト口腔扁平上皮癌における幹細胞性因子の発現が低酸素環境と分化度の低下で増加することが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究計画書に沿って、研究を推進していきたい。 また、免疫染色でも幹細胞性因子の発現を評価していきたい。
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