2018 Fiscal Year Research-status Report
脂肪幹細胞における細胞外カルシウムによる骨形成の検討
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16K20586
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢内 理沙 (糸永理沙) 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (60755271)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脂肪幹細胞 / BMP-2 / 骨再生 / Ca |
Outline of Annual Research Achievements |
顎顔面骨は複雑かつ緻密に構成されており、その欠損の再建には審美的な要素のみならず、機能的な要素も要求される。現在主流となっている治療法である金属プレートは易感染性であり、自家骨を用いた再建は安定性に優れるが、塑造性の観点や採取部位に骨欠損を生じさせることが大きな欠点となる。そのため感染に強く侵襲の少ない再建方法の有力な候補として、脂肪由来間葉系幹細胞 (ASCs) が挙げられる。ASCs の骨形成分化の促進には、骨形成因子 (BMP-2) が有用であると提唱されているが、リコンビナント BMP-2 (rBMP-2) は生産性、コスト面から臨床応用は限定的 である。さらに、生体由来のため抗原性の問題もある。私たちは以前の研究で、線維芽細胞への Ca2+ 刺激により BMP-2 が産生されることを示した。その結果を踏まえ、本研究では、ヒト ASCs (hASCs) における細胞外 Ca2+ の影響を検討することにより、BMP-2 によらない細胞外 Ca2+ のみを利用する hASCs の骨再生の可能性を探り、臨床応用へ展開していくことを目的とする。 私たちはこれまでに、hASCs の細胞外 Ca2+ 濃度を上昇させると細胞内 Ca2+ が一過性および持続性の増加を示すことを確認し、細胞外 Ca2+ 濃度の上昇は、 hASCs に自ら BMP-2 を分泌させ、autocrine / paracrine 的に自ら骨形成分化を誘導活性化する可能性を示唆する結果を得ている。また、細胞外 Ca2+ 刺激による細胞内 Ca2+ 濃度上昇のメカニズムを探るべく、定量的 real-time PCR、ウエスタンブロット法や各種選択的阻害剤を用いて Ca2+ イメージングや細胞培養を施行し、Calcium sensing receptor (CaSR)の関与を示唆する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H30年度まで育児休業を申請しており、研究は中断していた。 今年度4月より研究を再開している。 現在、細胞内 Ca2+上昇による BMP-2 産生までの細胞内シグナル伝達に関する因子を検索するために、定量的 real-time PCR、ウエスタンブロット法や各種選択的阻害剤を用いて生理学的・分子生物学的に検討をおこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
当施設(九州 大学大学院歯学研究院、口腔顎顔面病態学講座、口腔顎顔面外科学分野)は、研究を行うため必要な機器等の設備は利用できる状況にある。以前からの研究協力者である梶岡(臨床薬理学分野)、怡土(口腔顎顔面病態学講座 歯科麻酔学分野)に協力を仰ぎ、また新たな研究協力者である哲翁(臨床薬理学分野)と共に研究を行っている。
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Causes of Carryover |
昨年度まで育児休暇を取得しており、研究は中断していたため使用していない。 今年度は4月より研究を再開し、すでに数点購入している。研究協力者も増えたため研究も順調に進んでおり、今後さらに定量的 real-time PCR、ウエスタンブロット法に必要な物品、各種選択的阻害剤などを購入する予定である。
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