2016 Fiscal Year Research-status Report
機能性RNAによる癌転移抑制因子CD82発現制御を利用した口腔癌治療法の開発
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16K20588
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
峯 真理子 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (50755270)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | microRNA / Wnt |
Outline of Annual Research Achievements |
我々のこれまでの研究で、CD82はWnt経路だけでなく、様々な経路を介し癌の浸潤転移を抑制することから、CD82の発現をmiRNAもしくはmiRNA阻害によりコントロールすることができれば、強力な癌転移抑制治療ツールになると考え,本研究ではCD82の癌転移抑制機構のさらなる検討と癌細胞におけるCD82発現のコントロールについてmiRNAに注目して行った。 まずWnt関連因子を標的とするmiRNAをWnt関連因子の遺伝子配列から予測するために、miRNAの標的部位を検索する際に用いられるmiRNAのデータベースであるmiRandaを用いて、FZDとWntを標的とするmiRNAを検索した。CD82により制御されている可能性のあるFZD2,3,5,7,9を標的とするmiRNAを選択した。さらに、h1299細胞へのCD82遺伝子導入を行い解析すると、FZD2,3,5,7,9においてmiR203とmiR338-pが特異的に発現した。CD82低発現細胞にmiR-203 mimicを導入すると、mRNAおよびタンパクレベルでのFZD2の発現と、細胞遊走能が低下した。CD82高発現細胞にmiR-203 inhibitorを導入すると、FZD2の発現と、細胞遊走能が亢進した。一方miR-338-3pの導入により、FZDの発現にも細胞遊走能にも変化は認めなかった。これらの結果より、CD82はmiR-203の発現を亢進させ、FZD2の発現を抑制し、Wntシグナル経路の制御を介して癌の浸潤転移を抑制することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
miRNAの遺伝子導入に際し、条件の設定等に多少時間を要したが、概ね計画通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度と同様の手順で口腔癌細胞株から作製したCD82遺伝子導入細胞、CD82ノックダウン細胞とそれらのコントロール細胞に対し、miRandaで予測されたmiRNAを遺伝子導入し、Wnt signal関連因子の発現解析を定量的real-time PCRおよびWestern blottingにて行い標的遺伝子を明らかにする。 また口腔癌患者と健常患者の血液・唾液中に存在する当該miRNAの発現を定量検討し、臨床病態と比較することで癌患者の生体におけるCD82制御システムの関与を検討する。 口腔癌患者と健常患者から採取した血液から血清を分離し、血清および唾液からTotal RNAを抽出し、定量的real-time PCRにてmiRNAの発現解析を行う。また、カルテより患者の現病歴、既往歴、生活歴、全身所見、口腔内所見、血液検査結果(赤血球数、白血球数、溶血、CRP)、画像検査結果(CT, MRI, PET, US)病理組織検査結果、治療後の予後に関する情報を取得し、CD82による癌制御システムの関与についても検討する。
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Causes of Carryover |
当初の計画よりもRNA精製などに費やす費用が低額で済んだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は新たに使用する薬剤や遺伝子導入試薬など、条件設定などに大幅な経費が必要となることが予想される。
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