2016 Fiscal Year Research-status Report
フリーズドライ技術を応用した血小板超濃縮液による新規骨再生法の開発
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16K20589
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中谷 佑哉 長崎大学, 病院(歯学系), 医員 (50770822)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多血小板血漿 / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、フリーズドライ技術を応用した血小板超濃縮液による新規骨再生法の開発とその有用性を明らかにすることを目的とする。 申請者が行った先行的研究において、多血小板血漿(Platelet Rich Plasma: PRP)はフリーズドライ技術により、その性質的主体である成長因子およびフィブリンネットワークを維持したまま保存が可能であることが示唆された。さらに、フリーズドライPRPは、復元時に加水量を減じてPRPの濃度を高める(血小板超濃縮液)ことで、組織再生能を高めることも可能であることも示唆された。 平成28年度においては、その至適濃縮度の検討を行うため、フリーズドライPRPの濃縮度を3倍を起点として、A群、B群、C群、D群と4つの群を設定して、それぞれの濃縮PRPを骨補填材であるβ-TCPと混和させて移植担体とし、ヌードマウス頭蓋骨膜下移植モデルに対して移植実験を行った。その結果、ある濃度において、操作性、骨再生に関して最も優れた所見を得たため、これを現時点での至適濃縮度とした。 また、先行的研究において行っていたPRPの調製法に基づいて、ドナーを追加して、末梢血とPRP中の血球測定を行って、血小板の濃縮度を算出して、その調製法の再現性を確認した。 同様に、PRP中の成長因子濃度の測定に関して、PDGF、TGF-β、VEGF各濃度を測定し、新鮮PRPとフリーズドライPRPの成長因子濃度の変化の検討を、ドナーを追加してその再現性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究実績概要の通り、フリーズドライPRPの臨床応用に向けて、計画はおおむね順調に進展していると考えられる。 平成29年度は下記に示す推進方策を行って、更なる検討を行っていくこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
フリーズドライPRP至適濃縮度の検討のための移植実験に関しては、ドナー数、n数ともにさらに増やして検討を重ね、その再現性を確認する。 in vivo実験で至適化された濃縮度を用いて、新鮮PRP中およびフリーズドライPRP中の成長因子濃度の網羅的解析、および成長因子活性について解析、検討を行っていく。 また、フリーズドライPRPの保存期間に関しても検討を行っていく。
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Research Products
(3 results)