2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the metastasis mechanism of oral cancer and development of the new therapeutics based on tumor dormancy of bone marrow-disseminated tumor cells
Project/Area Number |
16K20594
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中村 拓哉 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (80761212)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨髄 / 播種癌細胞 / Src / TGFβ2 / 癌幹細胞 / 抗癌剤耐性 / 増殖抑制状態 / CTC |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄播種癌細胞(bone marrow-disseminated tumor cells: BM-DTC)は様々な癌の初期や治療後に共通して認められる。BM-DTCの多くは休眠状態にあるものの、その存在は後の転移性再発の強力な危険因子である。そのため、休眠BM-DTCの検出や制御が癌治療において重要である。骨髄環境が癌の再発転移に大きく関与するがんの休眠状態や抗癌剤耐性に深く関わっていることを解明するために、In vivo selection 法を用いたマウスの移植モデルによって樹立した、骨髄嗜好株であるBM-DTC株(BM-HEp3)、肺嗜好株であるLu-DTC株(Lu-HEp3)、対照株であるP-HEp3を用いて解析を行った。BM-HEp3が増殖抑制状態を示し、抗癌剤耐性を有しており、それらの性質にTGFβ2が関与していることをすでに明らかにしているが、P-HEp3にTGFβ2を添加したところ、増殖抑制状態を示し、抗癌剤抵抗性を示した。TGFβ2が骨髄播種細胞の骨髄での休眠状態の維持と抗癌剤耐性に大きく関与していることがわかった。 骨髄環境で癌細胞が生存するためには、高Src活性を有することが重要であることが報告されているが、3株のSrc活性を調べたところ、BM-HEp3においてのみSrc活性が亢進していた。また、Src阻害剤であるダサチニブを用いたところBM-HEp3においてのみ細胞生存能が著しく低下した。これらの結果からBM-HEp3は骨髄環境での生存に適したSrc活性が亢進した細胞集団が選別されている可能性が示唆された。 患者血液サンプルからのCirculated tumor cells(CTC)の分離について様々な適した方法を検討したが分離が難しいため、テロメスキャンという方法での分離を外注することで実施することとし現在詳細を検討中である。
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