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2016 Fiscal Year Research-status Report

IL-17シグナリングを標的としたアクチビンの炎症性関節破壊治療への応用

Research Project

Project/Area Number 16K20605
Research InstitutionKyushu Dental College

Principal Investigator

三次 翔  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00636920)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywordsアクチビン / ATDC5 / 軟骨細胞 / 破骨細胞
Outline of Annual Research Achievements

アクチビンによる軟骨分化の調節機構の解明に際して、ITSおよびアスコルビン酸で軟骨分化誘導を行ったマウス前軟骨細胞株ATDC5におけるシグナルタンパクの動態を検証した。その結果、ATDC5の軟骨分化にExtracellular Signal-regulated Kinase(ERK)シグナルの活性化阻害とPhosphoinositide 3-kinase (PI3K)/Aktシグナルの活性化亢進の両者が関与していることが見出された。
また一方で、破骨細胞の分化に対するアクチビンの機能について評価した。その結果、破骨細胞分化因子(receptor activator of NF-κB ligand; RANKL)により誘導されるTRAP陽性多核細胞やアクチンリング、骨吸収窩の形成はアクチビンにより、有意に亢進した。同様に、破骨細胞の分化マーカーであるcathepsin K、osteoclast stimulatory transmembrane protein (OC-STAMP)、matrix metalloproteinase-9 (MMP9)の遺伝子の発現も亢進が確認された。このことから、アクチビンが破骨細胞分化を正に制御することが証明された。さらに、アクチビンによる破骨細胞分化誘導亢進には、c-fosを介した破骨細胞分化のマスター遺伝子であるNuclear factor of activated T-cells, cytoplasmic 1 (NFATc1)の発現増強が関与していることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成28年度は、未だ不明な点の多いATDC5の分化に関連する細胞内シグナリング経路の同定を中心に研究を展開した。その結果、ERK及びPI3/Aktを介するシグナルの関与を明らかにすることができた。この結果をベースに平成29年度以降、アクチビン刺激により活性化されるシグナリングとのinteractionを中心とした解析を行う。
同時に、関節内の代謝や病態形成に関与する破骨細胞に対しても、アクチビンはその分化を亢進することを見出した。さらに、分化亢進のメカニズムのkey moleculeとして、c-fosおよびNFATc1の関与を強く示唆する結果を見出した。現在、タンパクレベルの解析を中心としたメカニズム解析を継続中である。
以上の結果は、未解明な点が多い骨・軟骨代謝に対するアクチビンの機能を明らかにしていく上で興味深い結果であると言える。こうした観点から、当該研究の進捗状況については、おおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

ATDC5分化に関しては、ERK、PI3/Aktに加え、Wnt/β cateninシグナルの関与について解析を追加する。軟骨分化への関与が強く疑われたシグナリングに関しては、選択的阻害剤を使用し、分化誘導後、real-time RT-PCR法による軟骨分化マーカー発現への影響、アリザリンレッド染色やアルシアンブルー染色による軟骨器質の評価を行っていく。
一方、破骨細胞分化に関しては、アクチビンと受容体を介したsmadを中心としたシグナリング経路がRANKLによるc-fosおよびNFATc1の発現誘導に与える影響を中心に各種阻害剤を用いてタンパクレベルの解析を展開していく。

Causes of Carryover

物品費支出に関して、小型超音波ホモジナイザーなどの設備備品を共同使用することができ、消耗品の支出のみとなったことが理由として考えられる。

Expenditure Plan for Carryover Budget

細胞培養関連、Western blotting関連の試薬の使用が見込まれるので、そのような試薬購入に使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2017 2016

All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results)

  • [Journal Article] High molecular weight hyaluronic acid regulates MMP13 expression in chondrocytes via DUSP10/MKP5.2017

    • Author(s)
      Furuta J, Ariyoshi W, Okinaga T, Takeuchi J, Mitsugi S, Tominaga K, Nishihara T.
    • Journal Title

      Journal of orthopaedic research

      Volume: 35(2) Pages: 331-339

    • DOI

      10.1002/jor.23266

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] 末梢血幹細胞移植後GVHD患者に生じた多発性舌腫瘤の1例2016

    • Author(s)
      三次 翔、宮本郁也、吉賀大午、松尾 拡、高橋 哲、冨永和宏
    • Journal Title

      日本口腔外科学会雑誌

      Volume: 62(10) Pages: 529-533

    • DOI

      http://doi.org/10.5794/jjoms.62.529

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2018-01-16  

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