2017 Fiscal Year Research-status Report
骨組織維持機構の解明による新規骨粗鬆症治療戦略の構築
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16K20609
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
小宮山 雄介 獨協医科大学, 医学部, 助教 (90586471)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コンディショナルノックアウトマウス / 破骨細胞特異的ノックアウトマウス / Ihhノックアウトマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
1)Cre-loxPシステムを用いた組織特異的ノックアウトマウスによる骨芽細胞分化誘導因子の発現検討 前年度までに、Ihh fl/flマウスとRANK-Cre;ihh-fl/wtマウスを交配してRANK-Creを持たないがIhh-fl/flを持つマウスをコントロールとしてRANK-Creが導入されたIhh-fl/flマウス、すなわちコンディショナルノックアウトマウスの骨量を比較する予定であったが、出生後、何らかの理由により長期生存せず、また、出生率もメンデルの法則に合致しないことから、何らかの異常が生じている可能性が示唆されていた。実際にはマウスにおいてRANK(Tnfrsf11a)とIhhが同一染色体上に存在しており、Creプロモーター領域とloxP領域が近接する場合に発現量の低下や組換え効率の低下が起こりうる事が考えられた。その結果、予期しない異常の出現により今回目的としていた骨量の比較解析が行いにくい結果となってしまった。(Tnfrsf11aは1qE2.1 105780723-105747981にあり、Ihhは1qC4 749453315-74951672に存在する) 現在、破骨細胞に特徴的に発現するカテプシンKを用いたCathepsinK(Ctsk)-Creマウスをあらたに導入し、破骨細胞での組織特異的ノックアウトマウスを作製すべく繁殖を行なっている段階である。(Ctskは3qF2.1 95499210-95509387に存在する。)カテプシンKは分化した破骨細胞で発現され、酸により溶解された骨のⅠ型コラーゲンを強力に分解するシステインプロテアーゼとして知られており、成熟した破骨細胞において特に強い発現を示すため、本研究の目的を逸脱せずに解析可能と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画していたノックアウトマウス作製が予想通りの結果とはならず、Creのプロモーター分子を変更した上でノックアウトマウスを再度作製しているため、大幅に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、Ctsk-CreマウスとIhh-fl/flマウスの交配により破骨細胞特異的ノックアウトマウスの作製を行なっている。繁殖は順調に進みつつ在り、解析に十分な個体数を確保している段階である。解析予定週齢に達したマウスより順次計測を開始する予定となっている。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究協力施設において円滑に研究遂行を行う目的でマウスの維持費を捻出しており、現段階ではマウス維持費がかかっていないことが理由としてあげられる。現在、目的とするマウスが作出困難であったことから遅れが生じており、予定している研究が遅れている事が理由としてあげられる。 (使用計画) トランスジェニックマウスの輸送費用を含め、本施設(獨協医科大学)での維持・飼育に必要な費用として使用する予定であり、また、解析に必要な費用を捻出する予定である。
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