2016 Fiscal Year Research-status Report
NKG2Dリガンド制御による歯肉癌の骨吸収抑制の可能性の検討
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16K20612
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐野 良恵 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (30750880)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | NKG2Dリガンド / MICA / 歯肉癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯肉癌は顎骨への癌浸潤により骨吸収を呈すると、顎骨の離断を余儀なくされ、QOLが著しく低下してしまう。歯肉癌による骨吸収を阻止することは重要な手段と考える。歯肉癌による骨吸収のメカニズムについてはよくわかっていない。われわれは、組織学的検討により歯肉癌において発現の高いNKG2DリガンドとしてMICA/MICBを見出している。 ヒト歯肉上皮癌細胞であるBHY細胞でNKG2DリガンドであるMICA, MICBが発現しているかどうか調べる予定であったが、BHY細胞の増殖能が悪く、全く使用できない状態であった。そのため、別のヒト歯肉上皮癌細胞株であるCa9-22細胞を使用したところ、細胞の状態は良く、継代も問題なくできた。Ca9-22細胞からRNAを抽出し、RT-PCRにより cDNAを作製し、リアルタイムRT-PCRを行った。プライマーとして、MICAおよびMICBを用いてこれらの遺伝子発現を確認した。また、Ca9-22細胞からlysis bufferとしてTriton-X100を用いてタンパク質を抽出し、MICA, MICBの抗体を用いてwestern blotにて調べたところ、タンパク質発現を確認できた。 さらに、MICAあるいはMICBのウイルスベクターを用いて、platE細胞に感染させて上清を回収して、ウイルスを含む上清をCa9-22細胞にlipofectamine LTXを用いてトランスフェクションし、一過性にCa9-22細胞にMICAあるいはMICBを過剰発現させる実験系を立ち上げているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞でのMICA、MICB発現を確認し、ウイルス実験系の立ち上げを行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
MICAを過剰発現させたCa9-22細胞においてRANKL発現が亢進しているかどうかを調べる。また、MICAを過剰発現させたCa9-22細胞の培養上清をRAW264.7細胞に作用させて破骨細胞形成が促進されるか検討する。
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Causes of Carryover |
ウイルス実験系で使用する試薬を研究協力者より分与してもらったため、購入の必要がなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に使用する生化学実験の費用として使う予定である。
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