2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔がん組織マイクロアレイで新規個別化治療バイオマーカーを探索し臨床応用させる
Project/Area Number |
16K20617
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Tama Medical Center (Department of Clinical Research) |
Principal Investigator |
渡部 幸央 東京都立多摩総合医療センター(臨床研究・教育研修センター(臨床研究部)), 歯科口腔外科, 医員 (50733490)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔がん / 組織マイクロアレイ / アクチン関連たんぱく質 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までに口腔がん診療において臨床応用されている個別化治療バイオマーカーはない。セツキシマブといった分子標的薬が現場に浸透し治療法の選択肢は増えたが個別化治療の実現には至っていない。そこで組織マイクロアレイを用いて候補分子を探索し、実臨床に応用可能なバイオマーカーを発見することを目的に本研究をおこなった。これまでに臨床病理学的データ・予後データを搭載した口腔がん組織マイクロアレイを作成した。アクチン関連タンパク質を網羅的に免疫染色し、個別化治療バイオマーカーとなる可能性がある分子を同定した。続いて組織切片を用いて染色の局在やintratumoral heterogeneityを評価するとともに再現性試験をおこなった。候補分子は腫瘍の浸潤先進部に強く染色することが明らかとなった。さらに候補分子の発現と頸部リンパ節転移との関連が示唆された。以上のことから組織検体を用いて候補分子の発現を免疫染色で確認することで頸部リンパ節転移を来しやすい高悪性度口腔がんをスクリーニングできる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔がん組織マイクロアレイを作成しアクチン関連タンパク質を網羅的に免疫染色しハイスループットにスクリーニングをすることで、個別化治療バイオマーカーの候補となる分子を同定できた。さらに組織切片を用いて染色性を確認するとともに臨床病理学的因子・予後との関連を統計学的に検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
候補となる個別化治療バイオマーカーを用いて後方視的に検討し、高悪性度口腔癌の診断や予後との関連をさらに検討し、臨床応用への発展を試みる。
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Causes of Carryover |
研究成果の学会発表時における旅費や論文作成時の校正費、投稿費として充てる予定である。
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Research Products
(5 results)