2016 Fiscal Year Research-status Report
ストレスタンパク質を介するビスフォスフォネート製剤関連顎骨壊死の病態解明
Project/Area Number |
16K20626
|
Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
定岡 直 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (80549395)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | BRONJ / 顎骨壊死 / クロモグラニンA / ビスフォスフォネート / 窒素含有ビスフォスフォネート製剤 / 骨芽細胞 / 歯骨細胞 / iNOS |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度は細胞培養により解析を行った。S.mutans由来のLPS処理した骨芽細胞と破骨細胞にBRONJの薬理的要因とされる窒素含有ビスフォスフォネート製剤(NBP)を添加し、ChgA活性機構によるBRONJ発症機序への関与を解析した。 1.マウス骨芽細胞株:MC3T3-E1細胞とマウス由来マクロファージ様細胞:RAW264.7細胞、ヒト間葉系細胞を用いてLPS単独投与、NBP単独培養、LPS+NBP複合投与時におけるChgA産生をRT-PCR法により比較し解析した。その結果、NBP添加時にはChgA遺伝子の発現が増強された。 2.骨芽細胞と破骨細胞におけるNF-κB/iNOS活性機構の解析としてLPS・NBP処理を行ったMC3T3-E1細胞、RAW264.7細胞、ヒト間葉系細胞に対しChgA-SiRNAを添加した際のChgAによるNF-κB/iNOS産生機構に関与するリン酸化されたSrcとMEKの発現量をELISA Kitを用いて解析を行った。その結果、リン酸化されたMEKやSrcの発現量に有意差は見られなかった。 3.2の結果を踏まえ、ChgA-Luciferaseを導入したMC3T3-E1・RAW264.7細胞をLPS・NPB処理した際のLuciferase誘導を引き続き解析を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画調書の通り進行している。 1.マウス骨芽細胞株:MC3T3-E1細胞とマウス由来マクロファージ様細胞:RAW264.7細胞、ヒト間葉系細胞を用いてLPS単独投与、NBP単独培養、LPS+NBP複合投与時におけるChgA産生をRT-PCR法により比較し解析した。その結果、NBP添加時にはChgA遺伝子の発現が増強された。 2.骨芽細胞と破骨細胞におけるNF-κB/iNOS活性機構の解析としてLPS・NBP処理を行ったMC3T3-E1細胞、RAW264.7細胞、ヒト間葉系細胞に対しChgA-SiRNAを添加した際のChgAによるNF-κB/iNOS産生機構に関与するリン酸化されたSrcとMEKの発現量をELISA Kitを用いて解析を行った。その結果、MEKやSrcのリン酸化量の増減に有意差は見られなかった。 3.2の結果を踏まえChgA-Luciferaseを導入したMC3T3-E1・RAW264.7細胞をLPS・NPB処理した際のLuciferase誘導を引き続き解析している。
|
Strategy for Future Research Activity |
ChgA遺伝子ノックアウトマウスを作製しBRONJモデルマウスを作製する。LPS投与時の骨梁・骨密度の変化を解析することでLPSを主因としたChgAを介した酸化ストレスカスケードによりBRONJを誘導させるという仮説に基づき解析を行う。結果や問題点をまとめて硬組織再生生物学会や口腔衛生学会にて発表し論文をまとめ専門雑誌へ発表する予定である。
|
Causes of Carryover |
科研費採択決定以前に購入した消耗品や試薬を利用した為に次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在進行中の細胞実験や今年度行う計画である標的遺伝子ノックアウトマウスを利用したモデルマウス作製時のマウス購入や必要な試薬・消耗品の購入に充てる。
|