2016 Fiscal Year Research-status Report
歯科用インプラントのチタン表面処理による骨形成促進と機能安定性に関する基礎研究
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16K20632
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井田 裕人 東北大学, 大学病院, 医員 (20746979)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インプラント表面処理方法 / 生体親和性 / 表面構造の変化 / 生体力学的評価 / 新生骨形成量 |
Outline of Annual Research Achievements |
純チタン、酸エッチング純チタン、カルシウム修飾純チタン、酸エッチングカルシウム修飾純チタン上記4種の金属小片の疑似体液浸漬28日後の金属片からの溶出成分の挙動を、ICP-MSにて観察した。 純チタン、酸エッチング純チタン、カルシウム修飾純チタン、酸エッチングカルシウム修飾純チタンの4種のインプラントの表面粗さ(Ra)の測定、試料表面を構成する元素の組成、化学結合状態の分析を行なった。その後、ラット下肢脛骨にインプラントを埋入し、埋入前後での表面構造の変化をSEMにて評価した。 上記4種のインプラントのラット下肢脛骨への埋入後、トルクゲージを用いて各種インプラントの埋入トルク値および、埋入7日後、埋入28日後の撤去トルク値の測定、埋入後のインプラントの安定性を評価するため、ぺリオテストを用いて揺度度の測定を行った。撤去したインプラントに対しては、アリザリンレッド溶液を添加し、インプラント表面の石灰化物の観察を行った。 インプラント埋入7日、14日、21日、28日後に動物用CTを用いて、インプラント周囲の全骨密度の経時的な変化の推移を定量的に評価した。さらに、インプラント埋入7、28日後に非脱灰組織切片を作製し、インプラント表面のそれぞれの部位から240μm範囲内の骨を計測対象としインプラント周囲と骨との接触率であるBICと測定範囲内中に存在する骨の面積率 BAの計測、新生骨形成率(MAR)の測定を行った。 インプラント埋入前および、埋入28日後のラットについて、ICP-MSにより臓器中の残留イオン量の測定、比較を行うことによりインプラントの生体への安全性を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度に実施予定であったin vivoにおける評価(インプラント埋入周囲骨の組織学的評価、CTによるインプラント埋入周囲骨の3次元的評価、アリザリンレッド染色によるインプラント表面の新生骨形成量を評価、臓器内残留元素の定量)を先行して行ったため、平成28年度に実施予定であったin vitroにおける評価(金属片上で骨芽細胞、歯根膜細胞を用いて細胞接着、増殖・分化度および、単球の細胞株を用いて炎症性マーカーの発現度の評価)を実施する時間が十分では無かったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に実施予定であった金属片上で骨芽細胞、歯根膜細胞を用いて細胞接着、増殖・分化度および、単球の細胞株を用いて炎症性マーカーの発現度の評価を優先的に行った後、平成29年度に実施予定である研究計画を順次遂行する。
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