2016 Fiscal Year Research-status Report
鎖骨頭蓋異形成症の歯の移動遅延解明を目的としたRunx2ストレス応答機構解析
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16K20638
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂東 加南 東北大学, 大学病院, 医員 (20772198)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 鎖骨頭蓋異形成症 |
Outline of Annual Research Achievements |
Runx2 は骨牙細胞分化に必須な転写因子であり、メカニカルストレスのセンサーでもある。Runx2遺伝子変異が原因である鎖骨頭蓋異形成症は遺伝性疾患であり、主に口腔顎顔面領域に異常を呈し、顕著な歯の移動遅延が認められるため、矯正歯科治療が非常に困難であり、未だに適切な治療法が確立されていない。申請者のグループは、同病態モデルであるRunx2ヘテロノックアウトマウスを用いて、歯の移動遅延およびメカニカルストレス応答の低下を明らかにしてきた。本研究は、Runx2 のメカニカルストレス応答機構の解析により、鎖骨頭蓋異形成症の顎顔面、口腔内の病態を明確にすることにより、新たな矯正歯科治療方法の開発への基盤を提供することを目的とする。 鎖骨頭蓋異形成症マウスモデルであるRunx2ヘテロ欠損マウスを用いて、まず実験的歯の移動モデルを用いた in vivoでRunx2関連因子を検討した。ニッケルチタンワイヤーを上顎切歯に装着して固定源とし、上顎右側第一臼歯を頬側から口蓋側に移動させる、再現性の良い実験的歯の移動法を用いて、歯の移動0、0.5、1、3、7、10、14、21日後に解析を行った。歯の移動量は、シリコン印象材を用いてマウスの上顎印象を採取し、上顎左右第一臼歯口蓋咬頭距離を計測した。組織的評価は、灌流固定を行い、組織切片を作製後、ヘマトキシリンーエオジン染色、TRAP染色を行った。また、牽引側と圧迫側の歯根膜組織、歯槽骨から該当する部分を採取し、組織を液体窒素で凍結・粉砕し、タンパク、RNAを抽出した。各々のマウスの上顎左側第一臼歯はコントロールとする。歯の移動量および破骨細胞数は、野生型と比較してRunx2ヘテロ欠損マウスでは有意に少なかった。組織からタンパク、RNAを高純度に抽出することができかった。現在、これに関して、データ収集および解析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に必要な純度のタンパク、RNA抽出を得ることができず、当初予定の実験が実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
適切な抽出方法を模索し、マイクロアレイ法にて網羅的に関連分子を探索し、in vivo における発現部位およびタイミングを組織学的に同定し、発現量をRNAはreal time PCR法、タンパクはwestern blotting法、ELISA法を用いて測定する。
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Causes of Carryover |
適切な純度のタンパク、RNAを得ることができず、当初予定していた実験が行えなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究を遂行するためには多くの消耗品が必要であり、これに使用する計画である。
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Research Products
(4 results)