2016 Fiscal Year Research-status Report
身体運動と顎骨成長の関連:ヒト標本およびマウス運動刺激モデルを用いた骨形態解析
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16K20639
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清水 康広 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60631968)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 身体運動 / 顎骨成長 / 顎骨形態 / マイクロCT |
Outline of Annual Research Achievements |
不正咬合は年々増加し、その原因の一つとして咀嚼刺激の低下に伴う顎骨の成長不足が指摘されている。近年、身体運動時には咀嚼筋に筋電図活動が生じることが数多く報告されている。そこで我々は、身体運動刺激に伴い神経系を介した作用が咀嚼筋に引き起こされ、作動した咀嚼筋運動が成長期の顎骨成長に影響を与えるのではないかと考え、成長期マウスモデルを用いて、身体運動刺激が顎骨の骨量および顎骨成長に影響を与えるかを検討してゆく目的で実験を行った。 実験動物として、成長期に当たる4週齢のC57BL/6 miceを用いた。実験群を2群に分け、対照群および身体運動刺激付与群とした。実験期間の数日前より、飼養環境への順化・順応を図った後、身体運動刺激付与群は過去より確立されている高さ100cmのクライミングケージ(J Bone Miner Res. 2003, Bone. 2008)にて飼育を行い、実験中は給水筒をケージ上方に設置し、自由飲水とした。2週間後に屠殺を行い、下顎骨に対してマイクロCT撮影後、解析ソフトを用いて放射線学的検討を行った。 評価方法は過去の方法(PLoS One. 2015)に準じ、計測ポイントは下顎頭表面の最上方点(Co)、下顎角の最後方点(Go)および下顎角の最下点(Gn)とした。 下顎下縁平面と、CoとGoを結んだ線およびCoとGnを結んだ線のなす角に対してそれぞれ角度分析を行ったところ、対照群と比較して身体運動刺激付与群の値にそれぞれ有意な減少が認められ、成長期における身体運動刺激が下顎骨の形態変化に影響を与える可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスモデルの立ち上げに成功し、予定していた放射線学的評価における成果を得ることができ、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はマイクロCTを用いて下顎骨を部位別に解析し、形態変化の詳細を検討する。 また、生化学的評価を用いて、運動刺激が顎骨成長に与える影響に対する詳細な検討を行ってゆく。
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Causes of Carryover |
放射線学的検討に必要な器具の納品が遅れ研究費に未使用額が生じたが、次年度に納入されるため、今年度行う予定の研究計画と併せて実施する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
放射線学的検討のさらなる評価を行い、角度分析に加え下顎骨の骨量を部位別に解析し、形態変化の詳細を検討する。
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Research Products
(2 results)