2016 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞由来破骨細胞分化抑制ペプチドの作用機序と炎症性骨吸収抑制効果の解明
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16K20652
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
菊池 恵美子 (青松恵美子) 岩手医科大学, 歯学部, 常任研究員 (50733854)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / SCRG1 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科矯正治療時における圧迫側歯根膜では、単球/マクロファージ(Mφ)が炎症性サイトカインを分泌し、これらがオートクリン/パラクリンに作用することによって、効率良く破骨細胞前駆細胞が破骨細胞へと分化するが炎症反応は認められない。一方、矯正治療時に歯の移動に深く関与する歯根膜には、免疫抑制作用が備わっている骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)が存在することが知られているが、破骨細胞分化におけるMSCの役割については報告されていない。そこで本研究では、申請者が新たに見出したMSC由来分泌型ペプチドSCRG1による破骨細胞分化抑制効果や炎症性骨吸収に対する作用メカニズムについて解明する。これまでに報告のないMSCの破骨細胞分化抑制作用の分子メカニズムを解明することを目的とした。 特にMSCが特異的に分泌するペプチドSCRG1に着目し、破骨細胞分化抑制ならびに未分化能維持を明らかにすることを第一とした。 初年度はで破骨細胞分化を促進する細胞内シグナル伝達系(NFκB、c-fos/NFATの活性化など)に対するSCRG1の抑制効果を確認しようとした。またSCRG1受容体としてのBST1/integrin β1複合体を基点とするシグナル伝達経路の全容を解明しようとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitroの実験系で、細胞内伝達系の解明を中心に実験を行った。なかなか安定したデータが出なかった。破骨細胞分化抑制ならびに未分化能維持を明らかにすることはできなかったが、SCRG1がRAW264.7細胞におけるERK1 / 2活性化を介してLPS誘導CCL22の産生を抑制するというということを解明できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、破骨細胞分化を促進する細胞内シグナル伝達系(NFκB、c-fos/NFATの活性化など)に対するSCRG1の抑制効果を確認、またSCRG1受容体としてのBST1/integrin β1複合体を基点とするシグナル伝達経路の全容を解明するとともに、SCRG1による未分化能維持を検証するために、炎症性サイトカインの分泌や遊走能を評価していく。
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Research Products
(3 results)