The pain associated with tooth movement : Search for new therapeutic agents and elucidation of expression mechanism

2018 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16K20653
• Research Institution: Meikai University
• Principal Investigator: 佐々木 会 明海大学, 歯学部, 講師 (60580230)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 矯正治療 / 痛み

Outline of Annual Research Achievements

矯正治療は国民のデンタルIQ向上に伴い症例数が増加している．また，矯正装置や理論の進歩から矯正期間短縮などがもたらされ，患者満足度も向上している．しかし歯の移動には、個人差はあるが疼痛は存在する．我々は歯の移動時に生じる疼痛の管理方法の確立を目的とし，矯正力に由来する疼痛強度を定量評価可能な動物モデルを作製しその妥当性を確認してきた。本申請では，研究を更に進め，本モデルを用いた新規疼痛管理薬物の探索ならびに矯正力負荷で生じる侵害受容機構の変化を明らかにすることを目的としてきた．以前より，コイルスプリングを門歯と上顎右側の第一臼歯に装着したラットの開口反射を指標として，歯の移動を目的とした矯正力負荷がもたらす疼痛を経時的に定量評価可能な動物モデルを考案し，その妥当性・有効性を検討してきた．本モデルでは，開口反射を誘発する閾値を左右で比較することで疼痛を評価することが可能で，閾値は装置装着後1日目では右側が有意に低く，7日目には左右差が反転するという結果を得ていた（Neuroscience 2014, 2013 日本矯正歯科学会：優秀ポスター賞受賞）．
本申請では，本モデルを用いた歯の移動を妨げない新規疼痛管理薬物の探索と投与スケジュールの立案を行い，本モデルでは，開口反射誘発閾値が矯正力負荷1週間後，ならびに，アスピリン投与1日後に矯正側よりも非矯正側で低下していることが認められた．これは，一側のみに加えられた歯矯正力が全顎的な侵害受容機構の変調に寄与していることを示唆していた（Neuroscience2015にて発表，Orthodontic treatmentinduced temporal alteration of jaw-opening reflex excitability. J Newrophysiol118:2289-2295,2017に掲載）．