2016 Fiscal Year Research-status Report
エピゲノム解析を用いた非症候性唇顎口蓋裂における新規病因因子の同定
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16K20654
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高橋 正皓 昭和大学, 歯学部, 助教 (10736713)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非症候性唇顎口蓋裂 / ホールゲノムシーケンス / DNAメチル化解析 / 一卵性双生児不一致症例 |
Outline of Annual Research Achievements |
唇顎口蓋裂の発症原因について、これまでに様々な研究が報告されてきたが、現在その発症は、環境的要因と遺伝的要因が複数関与した多因子によるものと考えられている[Nat Rev Genet 12:167-178, 2011]。環境的要因に関しては、母親の妊娠期間中におけるアルコールの摂取、喫煙等が報告されているが、詳細は不明である。遺伝的要因に関しては、唇顎口蓋裂の罹患頻度には人種差が存在すること、家族集積性や性差が認められることから、これまでに、いくつかの候補遺伝子が報告されてきた。しかし、いずれの遺伝子も、非症候性唇顎口蓋裂の発症を十分に実証するまでには至っていない。一方で、一卵性双生児における表現型の不一致症例が報告されていることから、近年、環境的要因であるエピジェネティックな変化、特にDNAのメチル化が、唇顎口蓋裂の発症や顎顔面領域の成長発育にも深く関与している可能性が示唆されている[Aust Dent J 1:23-33,2014]。DNAのメチル化修飾と疾患の病因との関連に着目した多くの研究が行われており、DNAのメチル化修飾によって悪性腫瘍、精神疾患、自己免疫疾患や生活習慣病が引き起こされることが解明されてきた。 非症候性唇顎口蓋裂の新たな病因因子を同定するため、表現型が異なる非症候性唇顎口蓋裂を伴う一卵性双生児不一致症例2組(計4人)からDNAを抽出し、ホールゲノムシーケンスを行った。現在、遺伝子解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サンプル収集に時間が掛かっていることと、ホールゲノムシーケンス結果の解析が終了していないため。
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Strategy for Future Research Activity |
ホールゲノムシーケンスの解析結果から、必要に応じてターゲットエクソームシーケンスを行う。また、網羅的DNAメチル化解析を行う。
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Causes of Carryover |
サンプル収集が進まず、ホールゲノムシーケンスを行う時期が計画よりも遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ホールゲノムシーケンスの解析に使用する。
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