2017 Fiscal Year Research-status Report
エピゲノム解析を用いた非症候性唇顎口蓋裂における新規病因因子の同定
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16K20654
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高橋 正皓 昭和大学, 歯学部, 助教 (10736713)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / ホールゲノムシーケンス / 唇顎口蓋裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人集団における非症候性唇顎口蓋裂の発症とエピジェネティクスとの関連性及び非症候性唇顎口蓋裂における上顎骨と下顎骨の成長発育とエピジェネティクスとの関連性を解明することを目的とする。 1) 非症候性唇顎口蓋裂の一卵性双生児不一致症例を対象に、網羅的DNAメチル化解析とホールゲノムシーケンスを行う。→ 裂型が異なる非症候性唇顎口蓋裂の一卵性双生児不一致患者2組(左側唇顎口蓋裂と右側唇顎口蓋裂、両側唇顎口蓋裂と両側唇裂+左側顎裂の2組)を対象に、ホールゲノムシーケンスを行った。ホールゲノムシーケンス解析の結果から、2組それぞれの兄弟間において、遺伝的相違は認められなかった。サンガー法を用いたターゲットリシーケンスの結果から、1組(左側唇顎口蓋裂と右側唇顎口蓋裂)に唇顎口蓋裂との関連が報告されているnoggin (NOG)とmethylenetetrahydrofolate reductase (MTHFR)に、もう1組(両側唇顎口蓋裂と両側唇裂+左側顎裂)にtropomyosin 1 (TPM1)とgrainyhead like transcription factor 3 (GRHL3)にrare variantsが認められたが、いずれも非罹患者である父親または母親由来のものであった。 2) 非症候性唇顎口蓋裂を対象に、網羅的DNAメチル化解析を行う。→ 本年度に遂行することができなかった。 3) セファログラムの重ね合わせやCTを用いた形態解析を行い、網羅的DNAメチル化解析結果から、上顎骨や下顎骨の成長発育・形態とDNAのメチル化修飾の変化について評価を行う。→ 裂型が異なる非症候性唇顎口蓋裂の一卵性双生児不一致患者2組を対象に、セファログラムを用いた重ね合わせをを行い、顎顔面形態に違いを認めるか評価を行った。2組それぞれの双生児間において、顎顔面形態に違いを認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝的解析と顎顔面形態の解析評価は、概ね計画通りに遂行できたが、エピジェネティクス解析が遂行できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
対象者を増やし、遺伝的解析と顎顔面形態の評価を行うとともに、エピジェネティクス解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
エピジェネティクス解析の遂行が遅れているため。残額をエピジェネティクス解析及び論文校正に使用する予定である。
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