2018 Fiscal Year Annual Research Report
Does periodontopathic bacterial infection affect increased intestinal permeability?
Project/Area Number |
16K20667
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮沢 春菜 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (50733721)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 歯周病原細菌 / 腸管透過性 / dysbiosis |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周疾患と様々な全身疾患との関連において、腸内細菌叢バランスの変動が影響することが報告されている。歯周病原細菌の一つであるPorphyromonas gingivalisを経口投与したマウスモデルにて、腸管において遺伝子レベルでタイトジャンクションタンパク発現が有意に低下し、血清中エンドトキシンレベルの上昇を確認した我々の先行研究をうけ、本研究では腸上皮細胞への刺激実験、無菌環境下にて経口投与するマウスモデルを用いた感染実験を行い、P. gingivalisの腸管透過性に対する直接的な影響を検討した。 ヒト結腸癌由来細胞 (Caco-2)をP. gingivalis LPS、菌体、上清にて各々刺激し、タイトジャンクション遺伝子・タンパク発現、腸管透過性について解析した。 P. ginigivalis LPS刺激では明確な変化が認められなかった。菌体、上清を用いた高濃度での刺激においては、遺伝子・タンパクレベルで接着分子の発現低下、透過性亢進が認められた。 無菌環境で行ったマウスへのP. gingivalis単独経口投与では歯槽骨吸収を認めなかった。歯肉・腸管・肝臓の炎症性サイトカイン遺伝子発現に変動は認められず、腸管タイトジャンクションタンパク遺伝子発現については口腔内常在菌投与のコントロール群と同程度であった。血清中エンドトキシンレベル、IL-6レベルへの影響は認められなかった。 以上より、P. gingivalis自体が腸管へ直接的に影響を及ぼすのではなく、腸内細菌叢バランスの変動を惹起することで腸管透過性が亢進され、全身に影響が及ぶことが示唆された。
|